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09月14日-03号

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  1. 高山市議会 2022-09-14
    09月14日-03号


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    令和4年第6回定例会令和4年第6回高山市議会定例会会議録(第3号)=======================◯議事日程 令和4年9月14日(水曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問     15番 岩垣 和彦君     17番 倉田 博之君     23番 中田 清介君     18番 松山 篤夫君     20番 車戸 明良君     13番 山腰 恵一君  ================◯出席議員24名)   1番             片野晶子君   2番             水野千惠子君   3番             石原正裕君   4番             笠原 等君   5番             西本泰輝君   6番             松林 彰君   7番             中谷省悟君   8番             伊東寿充君   9番             谷村昭次君  10番             西田 稔君  11番             沼津光夫君  12番             榎 隆司君  13番             山腰恵一君  14番             渡辺甚一君  15番             岩垣和彦君  16番             中筬博之君  17番             倉田博之君  18番             松山篤夫君  19番             上嶋希代子君  20番             車戸明良君  21番             水門義昭君  22番             橋本正彦君  23番             中田清介君  24番             小井戸真人君  ================◯欠席議員なし)  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長              田中 明君  副市長             西倉良介君  企画部長            上田和史君  総務部長            荒城民男君  財務部長            平野善浩君  福祉部長            川原幸彦君  市民保健部長          橋本 宏君  農政部長            林 篤志君  商工労働部長          倉畑政之君  飛騨高山プロモーション戦略部長 清水雅博君  教育長             中野谷康司君  教育委員会事務局長       田中 裕君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長            川田秀文君  次長              二村伸一君  自動車運転職員         櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開議 ○議長(水門義昭君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(水門義昭君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、沼津光夫議員中筬博之議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(水門義昭君) 日程第2 一般質問を行います。 質問の順序及び時間につきましては、議会運営委員会の決定に従って、それぞれ許可したいと思いますので、御了承願います。 それでは、岩垣議員。   〔15番岩垣和彦君登壇〕 ◆15番(岩垣和彦君) おはようございます。 9月定例会、最初の登壇ということになりました。特に今定例会、この一般質問、市長が田中新市長になられたということで、いつもの一般質問とは若干雰囲気が違うなということを思っております。その上で、通告をさせていただいておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。 まず、8月28日執行の市長選挙におきまして、田中新市長が誕生されました。コロナ禍でもありまして、社会経済状況が極めて見通せない状況下で、市政運営は非常に苦難が多いとは思いますけれども、市民生活の安定のために、行政経験を生かしながら御尽力をいただき、十分な成果が上がることを期待しております。 今回の市長選挙では、4人の候補者が名のりを上げられました。それぞれ、固有の政策を掲げられたことは、有権者の皆さんにも選択肢が広がったということで、意義のある選挙であったと感じておりますが、一方では、支持が分散することによって、市政の是非が問われる場面も出てくるのではないかということも懸念もします。今後、力強い発信力と行動力で懸念材料を払拭されることを大いに期待しております。 田中市長は、当選後も各機関への挨拶回りや記者会見など、大変時間的に余裕もない中で、9月6日には「田中あきらのまちづくり」と題して議会において所信表明をいただきました。 特に強調されましたのは、輝く市民が暮らすまち飛騨高山を実現しますとして、特に取り組む3か条について、1点目には、「強く!自然と向き合い暮らす強さ」、2つ目には、「優しく!周りを敬う優しさ」、3点目には、「心地よく!暮らす人も訪れる人も心地よいまち」、この内容などを述べられております。 今回は、この所信表明の内容について伺いたいと思います。 まず最初に、選挙についてでありますが、今回の市長選挙におきまして、田中市長は1万9,815票を獲得されました。投票者数が4万6,040人のうち支持が43%という結果でありました。今後の市政運営におきましては、当然ノーサイドの姿勢を持ちながら取り組んでいかれるというふうに思っていますが、全体の奉仕者として全市民に中立公正な施策を展開し、真に市民満足度が向上することで、今後支持を拡大させていかなければならないと考えておりますが、ここら辺りの田中市長の決意を最初に伺っておきます。   〔15番岩垣和彦君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今の御質問にお答えする前に、今回の冒頭で岩垣議員さんがおっしゃられたように、今回の一般質問につきましては、私がこれまで訴えてきましたまちづくりについて、それぞれ議員の皆様方、真剣に捉えていただきまして、御質問していただくことに対しまして、また、意見を言っていただきますことに対しまして、まずもって感謝を申し上げます。 今の岩垣議員さんの御質問についてですけれども、私自身、実際に正式に出馬表明をしたのが7月30日と、また、投開票があったのが8月28日ということで、1か月に満たない中での選挙活動でございました。 その中で、おっしゃったように4人の候補者の方々がそれぞれ訴えられて、それぞれの立場で選挙戦を戦われた結果、今おっしゃられたように1万9,815票ということで、私が当選したということになっております。 様々なところで申し上げてはおるんですけれども、今回の市長選挙、市議会議員補欠選挙もございますし、総勢8名の方々が立候補されたという、これまでないような形になっておりまして、私自身としては、市議会議員補欠選挙で立候補された方々の訴えも含めて、市長選挙に出られた方々、私を入れて4人の方々、それぞれ訴えておられる中でも、共感する部分は結構ございました。 今ノーサイドということで、岩垣議員おっしゃったんですけれども、その部分につきましては、支持率を上昇させるという意味合いよりも、しっかりとそういった方々にも訴えを表明される中で支持をされて投票活動されて、一定の票を取られたということもございますので、そういった部分私としても真剣に捉えて、今後市政にも何らかの形で反映できるようにしてまいりたいと思います。 その結果、私が今後4年間市政を預かる中において、市民の方々のサポートであるとか、支持を得て力強く市政を進めていきたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) ぜひとも、要はやはり、市民がどれだけ満足をしていただけるかというところが非常に一番大事な根幹だと思っておりますので、その辺りは、市長選挙の中でも様々議論があって、感じ取られた部分がたくさんあると思いますので、ぜひともそのことを念頭に置いていただいて邁進していただけるように、切にお願いをしておきます。 それから、今回の市長選挙の投票率でありましたけれども、64.87%という結果でありました。非常に市民に最も私は身近な市長選挙だというふうに思っておりますが、比較的、低調だったなというふうに思っています。 このことの原因は様々あると思いますけど、やはり私が一番心配するのは、やはり市民の皆さんがコロナ禍の2年半通じて、市政に対する期待感であったり、希望であったり、そういうものが薄れてしまったところがもし仮にあるとすれば、非常に危機を感じざるを得ないなということを思っています。 確かに感染症の拡大で投票所に行くことが困難な方も多々みえたということは感じておりますけれども、やはり、この投票率の比較的複数の候補者が出られたにもかかわらず、この投票率になった要因について、選挙に出られた市長、当事者としてどういうふうに感じられたのか伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 一般的に投票率については、政治への関心もおっしゃったとおりですけれども、期待感、そして候補者の魅力などが関係しているというふうに言われておりまして、今回の市長選においては、私を含め4人の候補者の方が立候補をしたにもかかわらず、前回に比べ、投票率の上昇は2.93ポイントにとどまっているということは事実として受け止めさせていただいております。 今おっしゃられたように、新型コロナ感染の蔓延がピークであったことなども影響したのではないかということは選挙管理委員会からお伺いしておりますけれども、おっしゃったとおり、市政への無関心であるとか、あるいは、どなたが市長になられても、誰が市長になっても同じじゃないかというような、そういった市民の方々の思いが少なからず影響があったのかなということは、私も受け止めております。 今後、市政を運営するに当たっては、より一層の市民の方々に理解をしていただくようなそういった施策を進める中で、もっと一人一人の市民の方々が市政に関心を持っていただけるような、そういった取組が必要だというふうに感じておりますので、そのようにこれからも努力してまいります。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 要因は様々あろうかと思います。 やはり役所として、どうしても市民の皆さんが、現場でお困りになっておられる方がたくさんおられて、そのことのやはりよりどころが、私は市役所だとずっと思っています。 ですから、そういうところで、果たして、そういったことをおっしゃられる市民の方の全てがかなうわけではないんですけど、そういった気持ちをいかに理解をしてあげて、その上で、その人たちが歩んでいける方向性を一緒に探ってやるという姿勢が、本当に私は大事だなと。そのことによって、市民の皆さんが市政に対する期待感や存在の意義を物すごく感じていただけるようになるのではないかと思いますので、その辺含めて、役所全体の在り方もやはり考えながら、これは議会も同じだと思いますけど、そういったところを念頭に置いて邁進していただければ本当にありがたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 それから、2点目であります。 國島前市長は、12年前の初当選のときに、市長の退職手当を凍結すると言って、公約に掲げられました。先般の退職時には、退職手当が支給されていないということであります。 市長の職責というのは、大変重大な責任の上に、やはり権力がどうしても集中をするところであります。 さらにもっと言えば、やはり個人の自己犠牲を伴う立場でもあります。 市民に対して、中立公正を基本にするためにも、私は、退職手当は本当に意味のあるものだというふうに思っておりますが、田中市長は、この退職手当の意義についてどう考えておられるのか、伺っておきたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 市長の退職手当につきましては、基本的な考え方として、一般職と同様に常勤という勤務形態であるということ、また、任期である4年間という一定の期間働くという、主に勤務報奨的な要素があると思っておりまして、通常どこの自治体においても支給されておられます。 そのような中で、市長さんによっては、それぞれのお考えの中で、國島前市長のように、公約の中において受け取らないというような対応をされる場合があるのではないかということで承知をしております。 市長の退職手当というのは、いろいろな月額報酬であるとか期末手当など、年収と退職手当のトータルで任期4年間というふうに捉えておりまして、退職手当は受け取るものであるということは考えております。 ただ、退職手当の有無にかかわらず、その4年間というのは、市長として真摯に、懸命に市民のために働かせていただく、そういった姿勢は変わらず持ち続けたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 市長おっしゃったように、一番退職手当のやはり意味というのは、市民に対して中立を貫き通すという、孤独に耐えれなきゃいけない立場でありますから、誰にも相談できないことであったり、その上で、様々な要望やしがらみもあって、どうしてもその方向性がぶれてしまう可能性がある。ですから、私はそういったところも利害を絡めない、そういったところでこの手当というのは本当に意義のあるものだと、それが担保するわけではないですけれども、そういったところをもう一つ整えてやらないと、なかなかその中立公正をというところで、思いはあってもなかなか、人ですから、そういうところがやはり揺らいでしまうところもなきにしもあらず、人ですから。だから、そういうところでは非常に大事なものだと思っておりますので、ぜひとも市政の継続ということも考えたときに、やはりそういったところも検討いただきながら行っていただければというふうに思います。 次に、田中市長は、市政全般につきまして、所信表明の中で留意する項目を6点挙げられています。 この中で、苦手なことは得意な人に任せると述べられまして、決して丸投げするのではないということで言及をされましたけど、行政の苦手なことということは、具体的に何を指しているのか。 世の中には、得意な人はあらゆる分野で存在をしておりますが、それらを含めて、市政運営のかじ取りが、やはり市政の根幹でありまして、市長の役割でもある。市民に還元するための施策を実行するのが、その組織としての行政であるというふうに考えています。事業者や団体とも密接に絡み合うこの地域におきまして、市民から疑義を抱かれないよう、十分に留意をする必要があります。 そのために市長の明確な方向性と指針、さらには、民間や団体にも勝るとも劣らない行政側の現状を把握する力や打開策など、その見つけ出す創造性、知見、専門知識が一段と求められるこの時代になっていると思っていますが、今後の行政運営の展開方法について市長の考え方をお伺いいたします。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕
    ◎市長(田中明君) 私が、選挙期間で苦手なことは得意な人に任せるというふうに述べました。 それの意味するところとしては、私が留意する市政運営として、市役所が直接事業を実施するよりも、各種団体であるとか事業者などにお願いしたほうが、より効果的である事業を、事柄を、分かりやすく苦手というふうに表現させていただいたものです。 例えば、経済活動は、行政としては直接なかなかやりにくい部分がありますので、経済活動を伴うような、そういった事業については、後でまた述べますけど、丸投げするのではなくて、方向性を共有した中でしっかりとそこに委ねていくというような、それとあと、これは私が変えればいいことなのかもしれませんけれども、なかなか、やはりこれまで市役所の人事の中で、数年ごとに人事異動をするという中では、なかなか専門性が育つ土壌でもなかったなということは考えておりますので、これまで長い間ずっと市民活動の中でいろいろな専門性を持ってやっておられる方々と相対するときに、やはりそこのその辺でそごが生じてしまったり、本当に効果的な事業ができるのかということを問われた場合、やはり疑問点が残ることは否めない事実であると私は受け止めておりますので、そういったことにつきましても、議員さんがおっしゃったように専門性をしっかり持った行政運営をしていくことはこれもちろん、これから留意してやってまいりますけれども、実際に活動するに当たって、より効果が出せるようなそういった展開をするに当たっては得意なというか、これまでやってこられた方であるとか、経済活動をしっかりとできるような、そういったところに委ねていくほうがより効果が出るかなというふうに考えて、そういったことを申し上げました。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 職員の配置転換については、市長述べられたこと、大いに私も思っています。 非常に先行きが見通せない中で、やはり2年、3年というような周期で専門職が変わってしまうと、これまで議会としても言ってきたこととか、受け止め方は変わらないんだと、行政側は変わらないんだと思いますけど、なかなかそのことが実行を帯びていかない、そういう状況の中で、市民の皆さんの相談の中身も同じことが言えるんじゃないかと思っていますので、そういったことは大いにやっていただきたいなというふうに思います。 それと、確かに経済活動を含めて、専門の方々にお願いしたほうがより効果的だということも当然あろうかと思います。それを否定するとか、そういう話ではありませんけど、ただ一番私が危惧するのは、やはり専門の機関の方々、組織の方々が、それ、利害を絡めないのかといったら、決してそうではないわけですから、事業者の皆さんは全て利益が至上主義ですから、そのことを無視して、悪だと言っているわけじゃない、それは当たり前ですから経済活動として。ですから、その上で、行政がどういう立ち位置を取るのかというところが、私は行政機関としては、お願いすることもいいんですけど、そういうあらゆる事業者の方々の利害調整の場が、私は役所だと思っているんです。ですから、そういうことを念頭に置いて、お願いする場合も、懸念材料を払拭できるような形を行政側が整えておかないと、非常に分からないので当然お願いをするというところでは、様々弊害が出てくるようなことにもなりかねない。これまでにもゼロではなかったはずです、私が見ている限りでも。そういったところは新市長になられたことを契機に、改めて、ひとつ姿勢を明らかにしていただいてお願いするところはお願いしていただきたいと、そういうことを思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 次でありますけれども、暮らしの糧となる新しいなりわいを創出するとおっしゃっておられます。 この中で、無形の技術とか経験への付加価値づけと対価を獲得されるというふうな表現をされました。 技術や経験から生み出されるものは、全て完成品ということになって、その価格が対価として表れているのが実情であります。 今、こういったコロナの環境下でもありますし、非常に不景気が非常に根深く残っている、こういう中では物が売れなかった、売れない、後継者がいない、こういうところが伝統技術の継承や、そういった産業の持続が困難な時代にあっては、やはり私は直接、市がそういったところに本当に支援をしていかざるを得ないような状況に、もう陥ってしまっているんじゃないかということを考えておりますが、これは人材の投入も含めてでありますが、市長の考え方はどう考えておられるのか伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、議員さんがおっしゃられた問題、課題については、私も重要なことであるというふうには捉えております。 市内には伝統工芸品産業とか、伝統建築産業とか、家具製造業など、歴史と伝統に培われた、本当に世界にも誇れる産業が数多くありまして、これら全て職人の皆様の貴重な技術とか経験で支えられているという中にあって、おっしゃったとおり、これまではどちらかというと、どちらかというとというか、作られたものそのものに対価が支払われるということがございまして、その対価につきましても、やはり経済状況であるとか、あるいは需要と供給のバランスでかなり不安定な部分であるというふうに考えております。 私としては、そうしたものづくりの現場とか、それを支えている人々の姿とか技術というものを、これは私、ある程度普遍的なものであるというふうに考えておりますので、市場の原理には左右をあまりされにくいものだというふうに考えておりまして、そういったものを対価を得て、例えば市民や観光客の皆さんに体感していただくということで、ものづくり産業の活性化の一助になればというふうに考えて、捉えているところでございます。 こうした取組によりまして付加価値がさらに高まって、販売の拡大とか後継者の確保などにも促進されるような、高循環を生み出していきたいというふうに考えておりますし、それによって、市内の事業者の技術であるとか、経験を生かした取組でブランド力とか、付加価値力を上げていけるような具体的な取組について着実に実行していきたいということを考えております。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 非常に伝統工芸品は、本当に高山の文化でもありますし、やはり大きな観光資源の1つでもあります。 自然や文化、技術を含めて、様々な観光資源はあるんですが、1つでもやはり欠けることになると、高山の魅力は半減してしまうという危機感を持っておりますし、確かに市長がおっしゃるように、体験を通じて、そういった付加価値を上げていくというのも1つの方法だろうというふうに思いますが、特に春慶なんか例に取れば、やはり相当、それぞれ祭りの呼び引きというのがなくなってもう久しく歳月がたっていますけど、そういうところで生活の関わり方が大きく変わってしまって、需要が大きくなくなってしまったというところに、この時代の変化が醸し出されているんじゃないかなということを思っています。 それはやはり市民の皆さん含めて、協力を今願ったとしても、代替のものがたくさんあるので、それを市民に強制するわけにもいかないということを考えると、やはり、直接そういった伝統工芸を含めて、文化を継承するということになれば、先ほども言いましたが、市が直接そういったことを支援をしながら、これは支援の仕方、たくさんあると思うんですけど、私はむしろ、前もこの場で話したことがあると思いますが、直接市が人材を雇用する、そのことまで考えなければいけない時代になっているんじゃないかと思う。それをつくった上で、当然その多くの、全体の人を雇用するというわけにはいかないのかもしれませんが、そういったところの生活をできる前提だけは整えてやって、その上で、物がどう売れていくのか、販路の拡大は併せて、そういうものにつなぎ合わせていく時代になっているんじゃないかなということを思ってやみません。 ですから、市長の考え方は市長の考え方でありだと思いますけど、そういったことも含めて、今後、伝統産業を含めて、活性化とはいかないけれども、維持ができるような最低限の土壌だけは整えていただくことも、私は市の責務かなというふうに思っておりますので、ぜひとも今後、御検討いただければというふうに思います。 もう一つ、この中で起業しやすい環境整備を掲げられております。 こういった、起業の行政手続とか、支援を代行する仕組みを構築するということも述べられておりますが、何よりやはり、小さくても市が率先してそういった成功者をつくり出してやることが、今、一番の先決の問題だと思います。 特に、支所地域にあっては、やはりその成功者の裾野の拡大が一番重要なときになってきております。 市民が、高山に暮らして生活する日常を通じて実現できることを大いに期待したいというふうに思っておりますので、今後、起業しやすい環境整備を整えていくということで、どのように取り組まれていくのか、その辺りもお伺いしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、議員さんがおっしゃられた、小さくても成功事例をつくって、裾野を大きくしていくというのは、全く私それは同感でして、大上段に構えて、大きいことをやるというよりは、小さい成功事例をたくさんつくる中で、底上げをしていくというそういうほうが私は、おっしゃったように、現実的かなというふうに思っておりまして、それぞれの事業全体の中ではそういった姿勢で取り組んでまいりますので、その辺につきましては、私、議員さんの考え方とは全く異なるものはなくて、共感できる部分がございますので、それを最初に申し上げたいと思っております。 起業とか創業を促進していくということは、市内の産業にイノベーションをもたらして、新たな業種とか業態が創出されて、様々な生き方とか働き方につながるということもございます。 私、退職してから、自分で会社を立ち上げたときに、今、そのときにあった高山市の創業支援に対する支援制度を活用させていただきました。 ただ単に補助金をもらうということではなくて、何回かにわたってセミナーを受けさせていただいたんですね。物すごくためになる。実際に起業するとはどういうことか、起業、事業を進めるにはどういったことが必要かということを本当にきめ細かく、またモチベーションが上がるような、そういった対応をしていただきまして、非常に私はよかったなというふうに思っております。 それを、例えば起業された方々、例えば1年、2年、3年くらいの方々に、また引き続き同じような形で、これは商工会議所がやっておられたんですけれども、実施していただくとか、そういったことも必要かなということは感じております。 起業するだけではなくて、おっしゃったように起業してからも、しっかりとそういった支援を、支援というのは金銭的なものだけではなくて、経営的な支援というかアドバイス、そういったものを含めたことはやっていくことが必要かなということはそのとき改めて思いました。 ただ、今の起業、創業に係る支援制度につきましては、現在、私が受けたときから多少ちょっと後退をしていますので、それは拡充していきたいというふうに考えております。 いろいろな商工会議所であるとか、金融機関であるとか、よろず相談であるとかそういったものがございますので、途中で、せっかく起業したのに断念せざるを得ないというようなことが少なくなるような、そういった施策については、高山市だけではなくて、商工会議所であるとか、金融機関であるとか、そういったところと連携して取組をさせていただくつもりでおりますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 確かに、市長おっしゃるように、コロナが大変長引きますと、コロナが発生する前に、いきなり起業をされた方もたくさんおられます。そしてコロナになって、本当に事業の経営がおぼつかないような方々もたくさん、私も知っております。 その中でどうやってつなげていくのかということを考えたときには、最終的には自己責任でしかありませんけど、やはりそういったところのトータルのサポートがどれだけ必要なのかということであります。1人で考えたら、本当に気がまいってしまって、本当に命を落とすことにもつながりかねない、こういう状況でありますので、ぜひとも、その辺、御経験者でもありますから、支えてやっていただきたいなというふうに思いますし、一方では、今こうやって人口減少が進む中で、支所地域の地域振興、非常に課題です。少なくともやはり市内の中でも、起業される方は、多少なりともあるんですが、支所地域においてそういう方々はほとんど見られない。 それは、様々な資源はあるんですが、どうしてもそれを活用するための方法論が見つからない。都会から移住されて、好きで農業をやって、本当にもうからなくてもいいんだ、そういう考え方の方はやはり大いに農業というものを柱にして生計を立てていくということが可能なのかもしれませんが、その他の起業ということになると非常に難しい。 ですから、1つ、市長にお願いをしたいのは、やはりどこの過疎地域、全国的な過疎地域を見ても、やはりよその人、若い人、そういう人たちが地域の中で資源を、何かを見ながら、ほかの地域とは違うものを見ながら、これを基にしてどう活性化をするのかというところが全て肝になっている。 ですから私は、そういう人たちを市長直轄で採用していただいて、その命を受けて、支所地域に配属をしていただきたい。そのことによって市民の皆さんと、やはりいろいろなしがらみが出ているので、ありますから、簡単に一筋縄で1つの方向に向くわけではないです。 ですけど、そういったことを先導を切ってやる人がいないと、支所地域はどんどん疲弊する、もう目に見えていると思いますけど、そういったことを、市長、先頭に立って対応されるお考えがあるのか、ちょっと伺っておきたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 支所地域において、今、議員さんがおっしゃったようなことは課題として私も捉えております。 その中で、後の御質問にも触れることにもなるんですけれども、しっかりとその支所地域の実情であるとか、あるいは資源であるとか、魅力であるとか捉えた上で、地域の方々がどうしたいか、それを見極めて、それを支えていくような、そういった組織は考えております。 今、なかなか支所地域も、例えば何か起業していないからやろうというふうにして考えると、それでなりわいを続けていくことを想定できるかというとなかなか難しいところがあると思うんですね。 なりわいの一部にしていただく、それは可能だと思うんですけれども、それで生計を立てて暮らしていくというふうになると、かなりしっかりとした経営であるとか、しっかりとした資源であるとか、そういったものを活用しなければ難しいと思うんですね。 先ほど議員さんもおっしゃったように、ちっちゃい成功事例をたくさんつくることによって地域を活性化していくという視点で、私は今後捉えておりますので、まずは、直接的にそういった方々をそれぞれの支所地域に派遣するということではなくて、市の職員で、よりその地域に入っていって、それと本庁とのパイプ役をしっかりできるような、そういった組織をつくった中でそこに人員を配置して取組を始めたいというふうに考えておりますので、方向性としては、同じ方向性を向いておりますが、今、私が申し上げたことをまずやらせていただいて、後で、またどういった方向がいいのかということは考えさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 今、市長おっしゃったことは、恐らく、本庁の中に地域振興課のような、そういった部署を設けて、職員の皆さんが直接出向いて、そういった課題解決に向かわれるんだなという、私も感じましたけど、私は、そのことをせっかく立ち上げられるのであれば、やはりそういった違う目線を育ててやらなきゃいけないと思いますし、その違う目線をどこから取り入れるのかといったら、やはり現状の視点ではなかなか難しいと、無理だと思います。 ですから、そういったよその目の捉え方によって、初めは、そんなことはということはあると思いますが、それが1つの小さな起業の先ほどの話でもないですが、成功事例になることは十分にあり得る。そういったところを参考にしていただきながら、住民の皆さんとの当然確執も生まれるかもしれません。ですが、そういったところで結果が1つでも向かう方向になれば、必ずそっちのほうも動くはずですから、市長おっしゃったように、1つの仕事だけでできる時代ではないです。幾つもキャパを持ちながら、幾つも可能性の選択肢を持って、その中で、トータルで生きていく時代に入ってしまっています。 ですから、そういった小さなものを積み上げるためにも、ぜひとも、先ほど申し上げたようなことは採用をしていただくように、改めてお願いをしたいと思います。 次、5番目でありますが、農林畜産業においても、最強の産地、産品を創出する中で、域内での食品自給率の向上と徹底した地産地消を実行するというふうに言われました。 世界的に食料危機が叫ばれる中で、自給率向上も地産地消も重要な観点だと私も思っておりますが、現状では歯止めがかからない円安や原材料の高騰などで、多くの農家所得が減少をしていることが一番、今の中では大問題であります。このままでは本当に離農に拍車がかかっても全く不思議なことではありません。 これらを含めて、農家の所得を向上させるための手段について、どのような対策を考えておられるのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今議員がおっしゃられた、円安であるとか、経済状況が不安定であるとか、本当に農業に限らず、社会の産業のいろいろな分野でそれは影響しているというふうに思っております。 ただ、私、ここで、先ほど産地、産品を作り出すという農業、畜産業において、特に取り上げたのは、直接、例えば人手不足であるとか、資材の高騰であるとか、飼料の高騰であるとか、高齢化というのが直接生産に、中間になくて、もう直接生産に関わっているという意味で、何らかの支援をしなければいけないと、強化をしなければいけないということで挙げさせていただきました。 ただ、先が見通せない中で、即効性のある対策というのは、率直に申し上げて、市として何ができるかということを思うと、なかなか難しい部分はあるかというふうに考えております。 そういう意味で、例えば国とか県であるとか、あるいは市の単独で補助金であるとか、支援策というのを出しておりますので、そういったものをもう着実に打っていくことで、その農家の方々の収入減を少しでも緩める、そういった対策を地道にやっていくのが一番現実的かなということは思っております。 ただ、今よりも極端にそれが、今の現状が進んだ場合につきましては、これはもう本当に経済の流れの中での出来事でもございますので、市としてできることは先ほど申し上げましたようにかなり限られてくるとは思いますけれども、その一方で地産地消、飛騨牛なんかは最初にやはり地元で食べていただくということを意識して販売をされたことで、例えばほかの松阪牛とか神戸牛に比べて値段も高くて、今までは割と安定して売れていたということもございますので、やはりしっかりとその地元の方に食べていただいたりとか、地元の方が産品をしっかりと購入していただく中で、さらに外に対するブランド力を高めるというそういった方策を今後進めたいという思いで、今回そういったまちづくりの方向性を出させていただいたところでございますので、経済対策、これは農業に限らず、かなり難しい部分があるということは、これ否めない事実だと思います。 ですから、できることを地道にやらせていただく。それしか私は方法がないとは思っておりますけれども、その中でもいろいろなことをやはり考えておりますので、また、農家の方であるとか、あるいはまた議員さんと議論を進める中で、何がいいかということを選択して、できるだけ早くできるような、そんな体制を構築していくように考えておりますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 当然、原材料の高騰も非常に問題、大規模農家から施設栽培の農家を含めて大問題でありますし、当然、売上げが上がらなくて経費ばっかり増えるもんですから、当然、国、県、市を含めて、対策は補填として打っていただいておりますが、ただそれはマイナス補填ということになるだけで、収入の増加には決してつながるものではない。やっていただくことにはありがたいですが、少なくともその先が見えないというところが現状です。 さらに言えば、小さい農家、本当におじいちゃん、おばあちゃんがやっておられる農家の方、これ、何でできるのかといったら、自分たちの土地があるからやらなきゃいけないという使命と年金があるからできるんですよね。だから年金があって、自分の収入はあるから、そのことを費やして、つぎ込んで、収支なんかどうでもいい。だから作ることの喜び、そして作ったものを周りに与える、くれることで、配って歩くことが喜び、こういうことになっているのが今の現状です。決して金もうけのために、お年寄りがやっているわけではないわけで、しかし、この高山の地域を考えたときには、農家も含めて、物すごくブランド力があることは間違いないんです。 ですから、私は、関東周辺へ行ったって、飛騨のやはり農産品というものは、どんな多品目であっても品種であっても、物すごく魅力があるんですよ。そのことは、やはり大々的に売出していくこと、物すごく必要だと思います。 観光でプロモーションを大々的にやっていただいているように、私は、農作物のプロモーションも大いに、JAができることはJAがやっていただいて、JA等ができないことをやはり市が率先してやるべきところに、私は来ていると思いますけど、市長、どのように考えておられるのか伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今おっしゃられたことにつきましては、私としては、以前市の職員でおりましたので、ある程度は、プロモーション等をやってきているというふうに考えております。 例えば京王さんと一緒にやったりとか、あるいは様々な場所で、農水産品をプロモーションしていくということはやっていたというふうに考えております。 今後につきましても、今議員さんがおっしゃったように、外に向かってその産品をしっかりとPRしていく、プロモーションしていくということは大切なことですし、非常に高山の農産品というのは、評価が高いというか、糖度もあったりとか、あるいは新鮮であったりとか、要するにおいしいということですね。そういった側面がありますので、それを十分に生かして、また、今流通している例えば関西圏とか中京圏以外のおっしゃられた関東圏についても、しっかりとプロモーションはさせていただくようにいたします。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) ぜひとも、そういった対応を引き続きお願いしたいと思います。 最後の質問でありますが、持続可能な地域づくりのために、観光振興を活用するとされております。 観光振興のための宿泊税の導入についても、田中市長は言及されておられます。 この宿泊税について、国税庁などは、やはり合法的な見解だという考え方も示しておりますが、高山市は従来から、入湯税だけでも令和3年度の決算を見ても1億5,000万円程度、一番多いときでは2億数千万円、4,000万円ほどあったと思いますけれども、全額が観光振興に充てられています。 ただ、全国的にも宿泊税の導入を検討している自治体、また実行している自治体も増加をしておりますが、一方で、コロナを通じて導入を見合わせる自治体も増えているのも現実です。 コロナ禍で打撃を受けた飛騨高山の魅力に一層磨きをかけるには、やはり観光に特化した財源確保にこだわるよりも、やはり市民全体の所得を増加させて、その増加分を観光振興に充てて好循環に持っていくという考え方のほうが、市民全体にも理解されやすいし、やはり宿泊のお客様にとっても、高山が急にそういうものをこのコロナの中でやられたということになれば、いろいろな捉え方をされますので、今のコロナの状況でまだ宿泊の客数が安定しないときに、その話を整えていくのはちょっと危険なところにもあるのではないかなと。だからちょっと様子を見ながら検討をし続けて、様々な関係機関と議論をして進める必要があると思いますけど、市長はどういった考え方なのか、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 宿泊税の導入につきましては、確かに私、選挙期間中、言及させていただきました。 選挙という非常に限られた期間の中で、自分の訴えを言うという、限られた場で宿泊税ということで強調はさせていただいた部分があることは否めない事実でございます。 今、私が、宿泊税の導入ということを1つの選択肢として申し上げた背景には、しっかりと、後の議論にも出てくると思うんですが、しっかりとした観光振興をこれまで以上にやっていく必要があると、しっかりとした観光振興機構、要するにDMOとかDMCというものが、本当の意味で機能していくということがまず大前提にあります。 その中で、新しい観光振興団体が行ういろいろな事業について、財源が必要な場合、プロモーションも、そういった場合の財源の幾つかとして、例えば国とか自治体と協力するのは公的資金を活用するものであるとか、あるいは民間の活力を注入するであるとか、あるいは投資とか融資、ファンドなどいろいろあると思うんですね。その中でも、今後、どういう財源がいいのかということも1つ議論はしたいというふうに思っております。 象徴的なものとして宿泊税があるかなということを考えておりますので、宿泊税導入ありきで、当初から向かうつもりは全くございません。 当然、今、議員さんおっしゃったような懸念を持っておられる事業所の方もいらっしゃるというふうに理解しておりますし、ただ反面、導入したほうがいいという方もいらっしゃいますので、そういった議論を進めたいとは思っておりますが、その前提として、どういった観光振興組織をつくっていくのか、それについてまず議論をしてから財源の話になるというふうに考えておりますので、これから、議会の皆様とも含めて、もちろん事業者の方も含めて、そういった前提になる部分から議論を進めていきたいというふうに考えておりますので、御理解いただきたいというふうに思います。 ○議長(水門義昭君) 岩垣議員 ◆15番(岩垣和彦君) 拙速に進められるわけではないというお話でありましたので、導入の是非はいろいろあると思いますし、私も、全てが駄目だと言っているわけではなくて、この状況下で、本当にそれが正しい選択なのかというところをちょっと疑念を抱いているものですから、質問をさせていただきましたけど、宿泊税だけじゃなくて、入湯税を、前市長のときに観光の財源として全てを活用するようになりましたけど、やはり入湯税1つ取ったって様々な課題があります。鉱泉源というものを維持するための税の位置づけであることは否めない事実でありますし、そういった高山の地域と奥飛騨の地域で、鉱泉源の温度が違う、温度が違うという、高くなれば高くなるほど、施設の維持管理費も含めて全然違うものがある。そういったものを、意味合いがある入湯税1つ取ったって、やはりそれが全ての観光振興に充てられるのが本当に妥当なのかという議論だっていまだに根深いものがあることも事実です。 そういうことを含めたときに、財源は必要だと私も感じていますけど、少なくとも、そういったことを市民全体の所得が上がるようなことにつながっていけば、私は自然にそういうものにこだわらなくても、その財源は自然に導き出されると思うし、まして市民の皆さんに納得可能なものに私はなっていくんだと思います。 そのためのやはり観光が、我々の市民の全体の生活に本当に身近に根差しているんだと、そういう感触を持っていただける1つのものになると思いますので、ぜひともそういった視点に立ちながら、また検討を進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、岩垣議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 休憩します。     午前10時25分休憩  ――――――――○――――――――     午前10時35分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、倉田議員。   〔17番倉田博之君登壇〕 ◆17番(倉田博之君) おはようございます。 早速ですが、質問に入らせていただきます。 1番目、政治と宗教の相関に係る新市長の見解についてであります。 ①、あってはならない安倍元首相銃撃事件に端を発し、社会的な問題として政治と宗教の関係性が注目されています。 政教の関係性は、これまでもずっと潜在し続けてきた問題であり、今回の件も、報道などで集中的に取り扱われている特定の教会の事案に押し込めるだけでなく、より高い視点で、より広い対象をも俯瞰しつつ、政教相関全般について語られるべき問題だと捉えている。 新市長は、政教の相関や距離感について、一般的な市民感覚をどのように感じ取られ、どういった見解をお持ちなのかと通告をしています。 私自身は、宗教のカテゴリーには入るものだとしても、歴史的・文化的意義が社会通念的に認められているものや、その継続、継承において、もちろん参加の自由は大前提で、一定限地域コミュニティの形成に役立ってきた経緯があると考えるものに対しては、その意味において、宗教儀式も含め積極的に関わってきたし、今後もそうしたいと考えています。 ただ信教という点でいうと、形式や儀式はともかくも、一信的な特定の神仏はいただいておらず、したがって、いわゆる敬けんな信徒というカテゴライズはどこにも当てはまりません。 漠然と雲のように内在して自己と向き合う、片仮名でカミサマとでも表現すればいいのかなと思いますけれども、そういったものや、亡くなった父母や親族、知人に対しての儀式時に限らない直接の語りかけが自分の場合はそれに当たるのかなというようなふうに思っています。 祈りの対象はあまたありますけれども、そのほとんど全てが、私の場合儀式は借りても信心を介してはいません。 さて、今回の騒動は、1つの新宗教に限ってその反社会性を焦点とする傾向が今のところ強いですが、しかしながら、この悲劇から政治家も行政も報道も社会全体が今受け止め、語り、考えなければならないのは、クローズアップの部分と並行して、あるいはそれに優先して、大きな俯瞰的視野からの政治と宗教の相関についてであるべきではないかと考えるものです。 その点については8月19日発行の講談社の『フライデー』に高山市に本部を置く崇教真光というような記述で、安倍元首相やその他大物政治家との関与が大きく取り上げられており、報道の関心が特定の教会のみでないところにも敏感に向けられていることをうかがい知ることができます。 なぜ政教分離が叫ばれるのか。難しい宗教理論や法律論は苦手でありますけれども、民主社会という観点から私なりの解釈を述べたいというふうに思います。 どんな政治信条を持つ個人にも、どの宗教を信じる人々にも、多種多様な価値観を持つ全ての人々に対し、様々な決定を1つの傘としてあまねく覆いかぶせて、社会的圧力を加えることができるのが政治であります。 したがって、その決定はあらゆる価値観を認め合う環境の中で形成されるべきです。そこへの関与や決定権を持つ政治家は、国民市民一人一人の政治信条によって選ばれるべきであります。 政治信条はちょっと大げさに聞こえるかもしれませんけれども、自分の実生活に関わる政治というものへの個々の思いといったことをそう表現させていただいておりまして、その意味の政治信条は、皆それぞれにあるはずだというふうに思っております。 その信条に従って、投票行動に移すのが民主的選挙であり、民主政治の原点だと考えています。したがって投票は、また政治参加は、一人一人が何物にも縛られず行われるべきものであります。 しかしながら、特に新宗教では、宗教上の精神的ヒエラルキーなどによって、簡単に投票行動を指示でまとめれることができる。 つまり、民主主義の下の政治の選択ではなく、絶対的狭義によって、あるいは宗教団体の意図によって、あるいは精神的ヒエラルキーによって政治の方向に関する人々の意思をもコントロールすることが容易になってしまう。 人々の多様な価値観や心情が、少数意見も含めて、それを代弁する多様な議員たちによって公の場所で議論され、結果として1つの結論となって万民に行き渡る民主主義の基本が、特定の宗教的価値観での集約を利用する政治家にゆがめられてしまう危険性を、私はとても恐ろしいと感じています。 政治家個人と宗教が信心だけで結びつくのなら、広告塔行為も集票行為も必要がありません。それらが介在するということは、たとえそれがルール上許されることであっても、取りも直さず、団体と政治家が利害で結びついた証明だというふうに思います。 政教が結びついて起こる悲劇は、過去の政治史や現代の宗教原理国家から明白であり、いずれも、個々の思想、身体、行動における自由の制限につながるものであります。 だからこそ、民主主義の原点を守っていくため、政教が必要以上に近くなることを避けなければならない。そう考えていることがまず1点。 2点目として、信教の自由とは、同時に、信じない自由、信じたくない自由でもあること。信教の自由という言葉を盾に取って、政治や行政が特定の宗教団体と近づき過ぎることは、翻って、個々の信じない自由、信じたくない自由に強い圧迫感を与え、本来の信教の自由を毀損することになることを、私たちははっきりと自覚すべきだというふうに思っています。 以上の2点から、政教分離の大切さを私は受け止めています。 ちなみに、私たち創政・改革クラブが行ったアンケートによると、伝統的宗教は一線を画すべきとしたものも含め、政教は一定の距離を置くべきとした回答が1,170回答のうち約7割を占めたことを御報告させていただきます。添付資料2で御確認いただきたいというふうに思います。 当然、様々、新宗教会員の皆さんの回答も多く含まれるであろう中での高山市民の傾向としてこの数字は重く受け止めるべきだと。今ならもっと高いだろうというふうにも感じますけれども、思っています。 そのアンケートの回答には、ごめんなさい、公明党さんを引き合いにして設問設定者の我々や、何より議会自体をやゆする意見もありました。そこに触れずに政教分離を語ることは、何か自分がひきょうにも感じ、不本意ですが、この場で勝手な解釈を披瀝することはよくないと考えて、あえて控えます。 ただ、自分を何とか納得させる容認解釈は、弁護ではなく持っているので、直接、御連絡いただければ、いつでもお話をしたいというふうに思っています。 さて本題に戻り、通告1の①について、まずは一般論として、憲法第20条政教分離の説明にとどまらない市長個人の御見解を生の声でいただきたいというふうに思います。   〔17番倉田博之君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今ほど倉田議員さんが、政治と宗教に関係する中で、御自分の思いであるとか、述べられたことにつきましては、基本的にはそうなんだろうなというふうに思っております。 政治と宗教が近くなるとか、そのことによって生じる、例えば人々の行動を制限するであるとか、そういったことはあってはならないことかなというふうに私も捉えております。 ただ1点、ちょっと異なるのが、例えば仏教とか神道とか、あるいはキリスト教とか、長年にわたって生活の中にしみこまれてきた宗教と、比較的新しいその分野の宗教とは、私は分けない考えでおりますので、それを信じる方々の、あるいは宗教行為につきましては、それぞれがやっていただく中で、片方だから許せる、片方だから許せないとかという、許せるという言い方は変ですね。片方だから許容できる、片方だから許容できないということは、その辺は少し議員さんと違うところかなというふうには思っております。 ただ、市政として、宗教活動を当たることにつきましては、そういった誤解が生じてきたことがあったから、恐らく余計にそういった声もあったのかなということは感じておりますので、私としては、今申し上げたような、基本的には議員さんがおっしゃられたことに共感する部分もございますし、ただ違うところは違うということはありましたので、それに沿った対応をさせていただく中で、市民の方々に高山市政として一定の宗教をかなり近くなって、それを進めていくというような、そういった誤解を抱かせてしまうような運営はするつもりはございません。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 御答弁いただきました。よく分かりました。 もちろん、個々でいろいろ考え方が違うところは当然あるので、それはそれとして受け止めさせていただきます。 2番目ですが、本市では、前市長のリードの下において、特定の宗教団体との関わりが増大してきてはいないか、市政に対する宗教団体の影響力が強まっていないのかといった懐疑的世論が非常に多くある。前市長はまるで広告塔だという批判も少なからずありました。 政治家が宗教の広告塔になることはそれだけで立派な便宜であり、関係者以外の者にとっては大変不快で苦痛に感じる行為だと、報道などでも昨今よく聞きます。 その他の事例も幾つか、これまで市からお話を伺ってきましたが、市民の目にはどう映るのかという観点よりは、行政自身の正当化による言い張りや開き直りの論調が目立ち、残念ながら、合理的な説得力を持つ明快なお話はいただけなかったというふうに私は思っています。 そういった中、市役所内外や元市役所関係者からも、前市長の海外出張時の海外道場激励訪問のお話をよく聞きます。 この件は、近過ぎる関係性だけでなく、公費の適正使用の面からも疑問であり、新体制で明らかにすべきだと考えていますけれども、事ほどさように結果的に、本当に多くの市民から数多くの疑念を持たれてしまったという市政運営上の事実に対し、新市長はどう振り返り、どう向き合い、検証して今後の新市政に反映していかれるのか、お聞きをしておきます。先ほど少しお話しいただきましたけれども、どう振り返り、どう向き合い、検証して今後の新市政に反映していかれるのかをお聞きしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) これまでの市政や前國島市長の行動などにおける宗教団体との関わりにつきましては、政教分離の原則や法律上の問題はなかったというふうには認識はしておりますが、ただいま議員さんがおっしゃられたように、不信感を抱かれるような方がいらっしゃったのであれば、非常に残念なことであるというふうに捉えております。 今、議員が、一例で挙げられた海外道場の訪問につきましては、私が海外戦略部長のときも通訳という立場、あるいは随行という立場で何回か訪問したことがございます。 その中では、総本山が高山に所在しておりますので、観光のPRも兼ねて儀礼的な挨拶に訪問したものであると、当時、ぜひまた高山へ来てくださいというようなメッセージを発せられておられましたので、私はその程度の、その程度と言ったらあれですけど、それを目的に行かれたものであるというふうに私は理解しております。 今後、市長として、また、市として政教分離や法律に抵触するような行為、行動は、当然に行いません。 高山市の信用が損なわれることにつながることにならないように気をつけてまいりますし、ただ、先ほど申し上げましたように、宗教団体に特定することではありませんけれども、市長として一般的、社会的に問題のない範疇で関係性を持つことにつきましては、今後もあり得ると考えておりますので、その範疇の中で、私としての市政運営であるとか、行動を律していきたいと考えておりますので御理解いただきたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 海外視察の中では、ちゃんと公務の行程表にそういうものが入っていたのかな、どうなのかなというところは、少し見ていく必要があるんじゃないでしょうか。 ③としまして、行政と特定の宗教団体の間に金品を介した相関が頻繁にあるようだと、特別な便宜に関する市民の疑念や嫌悪感が生まれるのは当然の成り行きです。それが望ましいはずもなく、行政には清廉性についての市民への説明責任が常にあるというふうに思っています。 市民との健全な信頼関係を保持しようという意思と姿勢は、行政の最も基本的な体幹であり、首長や行政マンにとってのプライドと矜恃の見せどころだというふうに考えています。 そのために、宗教団体や政治団体からの寄附を一切採納しない、毅然とした規定を持つ誇り高い、いい自治体は数多くあります。 本市にもその策定を求め、市は昨年9月に寄附採納事務取扱要綱を制定されました。 しかしながら、それは、内部規定は市内部だけで決めればいいとうそぶかれたとおり、襟を正す要素というものは見当たらず、むしろ、上層部の胸三寸でどうとでもできる、期待とは真逆のものでした。 それでも市は、寄附採納に対する透明性と説明責任の向上を図れるものだと胸を張って豪語されたんですが、田中新市長もまたそう言い切られるのでしょうか。 私の目には、何か少し拝金的にも移り、申し訳ございません、プライドはと落胆を禁じ得なかったことでありました。 そうまでして教団から寄附を受けなくてはならないよほどの事情があるのだろうかと、疑念はかえって膨らんだということです。 市民との信頼関係における意思と姿勢の体幹を図らせていただくべく、市長見解をいただきたいと思います。 要綱の見直しも含め、もっと公正さを担保できるような検討も求めていきたいなというふうに思っています。よろしくお願いします。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 昨年9月に制定しました寄附採納事務取扱要綱につきましては、内容は確認しております。 これまで明らかでなかった寄附採納をしないものということを、基本的な考え方として明確化したことが特徴であるというふうには捉えております。 基本的な考えの中では、政治的または宗教的な意図のある寄附は採納しないという考え方を規定として明確化しております。 当該規定の運用により、寄附採納に対する透明性の明示と責任、説明責任を果たさなければいけないと私は理解しております。 したがいまして、私がこれを読ませていただいた中では、内部の判断でどうにでもなるといった性質のものではないのかなということは考えております。 あと、議員さんが今おっしゃられたように、どんな宗教団体、政治団体からも寄附を受けないということにつきましては、今後、例えば高山市が寄附を受ける中で、宗教的な意味合いを別として、可能性は出てくるのかなということも考えておりますので、ただ、今、要綱を制定して1年が経過しておりますけど、特に問題なく、適切な運営が図られているというところもございます。 そういったことを鑑みまして、要綱を見直す必要性は特には感じておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、政治団体や宗教団体というものにかかわらず、寄附採納につきましては、できるだけ透明性を高めた上で、その目的であるとか、内容であるとか、そういったものを透明性を高めた上で処理をしていきたいと。特に、政治団体とか宗教団体、そういったものにつきましては、私としても、これまでのこともございますので、しっかりと、内容をしっかりと把握した上で、採納するかどうかということを判断も含めて対応してまいります。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 制定後、今のところ問題がないのは当然なのかなという気はしていますけれども、大萱候補地を寄附採納せんがために理屈づけをしたと取られない努力は本当に必要かなと思っていますし、先ほど言われたような努力を少し求めておきます。 次に、2つ目の質問であります。 新聞社による新火葬場建設計画のアンケートで、新市長は市長候補者として再検討の余地ありとされ、経緯や意見の整理や、必要なら実施計画にこだわらないと述べられています。その発言に対する誠意と責任ある実行についてということです。 添付資料の1を御覧になりながらお聞きください。 ①令和2年11月に、私と当時の松山副議長、谷村産業建設委員長、同石原副委員長で教団とお会いしたとき、教団は、自分たちから土地寄附を働きかけてはいないと、はっきり言われました。 それを基に市に問うと、市から寄附を働きかけてはいない。有償か無償かは聞かなかったが、教団が所有土地の利用提供を申し出たという回答でした。 大萱候補地が最終3候補地に残った当時、教団に直接連絡をして、経緯をただした丹生川地区の1市民があって、その内容を私直接お聞きしました。 それは、大萱の教団所有土地が市の候補地になった経緯についてですけれども、市の担当課が教団を訪れ、火葬場の土地がなくて困っていると窮状を訴えたので、教団は所有土地3か所を提示した。そのうちの1つが大萱で、教団は、大萱は地形的に適さないかなと思ったが、市はそこを選択したというものです。 また、市が教団からの土地寄附申出を検討委員会に報告するときには、教団として地元住民の了解がなければ寄附できないと市に伝えたら、住民も了解しているし説明会を行っていくので大丈夫だと市に言われ、教団は申出書を提出した。こういった教団からの聞き取り内容だったと丹生川の住民の方は私に情報提供をされたわけです。 その住民証言を確認するために、令和3年の9月議会中に会派で教団を訪れました。教団は訪問に対し、若干難色を示されていましたけれども、最終的に質問項目を事前にファクスすることで受けていただきました。 私はえっと思いましたけれども、何か別のことも感じ取れる気がして、我々の聞き取りのことを市には内聞にお願いすると、あえて書き記して質問項目をファクスさせていただきました。 聞き取りで教団は、丹生川住民との接点は認められましたけれども、情報内容は否定されました。また、市が主張していた土地提供が有償か無償かは、検討委員会に促されて、教団に打診するまでは知らなかったという点については、無償提供は伝えたつもりだったが、市がそう言うのなら自分たちの伝え方が悪かったのだろうと、寄附も知らないのに特別の意図が働こうはずがないとしたい市の言い分との食い違いをソフトにくるんだ言い回しだったというふうに記憶しています。 そのほんの数日後、一般質問で、丹生川住民の証言についてお尋ねをしたときの、前市長の答弁です。これ会議録です。 先週倉田議員は、教団の担当者の方々とお話をされて、その経緯をしっかりと確認されたのではないかと思いますが、その折にも、私が伝え聞くところによれば、私どもが申し上げているような経緯を、当事者のほうからお聞きになられたと承知をしております。それらについて、私どもについては別に疑義はございません。 どうでしょうかね。倉田が内緒を頼んだところでちゃんと自分に情報は入ると。質疑の内容まで把握していて、市と教団は回答も一致しているから、疑われる筋合いはないんだと。自分が答えなくても、あなたが教団から聞いた答えで十分でしょう。そういう意味の答弁ですよね。すごい連係プレーだと感じるのは僕だけでしょうかね。 そういった経緯があって、つい先日、8月20日に掲載された中日新聞の記事、新聞社の取材に対し、崇教真光教団は、土地の寄附を決めた理由と経緯に関して、市当局の担当者より話をいただいたと答えられています。市から土地寄附を持ちかけられたという、確かな回答だったと。記者にも確認を取らせていただきました。 このことは、ある時期から、市に歩調を合わせるその前に教団が言っていたこと、丹生川住民が最初に教団から聞き取っていたことと完全に一致します。 しかしながら、市は全面否定をし続けてきたことであり、これまでの市の言動を根本から覆す画期的な証言となりました。 この新聞証言により、候補地選考の当初から市に意図があったことが明白となり、市の選択の公平性は崩壊したものと受け止めています。丹生川候補地ありきの強引な理論展開とも符合します。 この点以外にも、市の発言の不整合と迷走ぶりは、これまでも議論の俎上に上げてきました。 全市民、検討委員会、議会などの信頼を裏切ることにもつながる事案に対し、田中市長には、御自身の経緯や意見の整理において、市役所の中の身びいきと取られない、しっかりとした検証を今後いただきたいと考えます。それについての見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) ただいま御質問ありました建設地の土地寄附の申出の件につきましては、今、議員さんは議員さんで、立場で、お調べになったことをここで公表していただいたということで理解しておりますし、私も選挙期間中にはいろいろな方からいろいろなお話を聞きました。 それの正否については、いろいろな方がいろいろなことをおっしゃるので、なかなかちょっと判断できにくい部分もあるんですけれども、そういった部分を含めて、もう一度、経緯についてはしっかりと検証させていただきたいというふうに考えております。 その事実関係をはっきりさせていただいた上で、火葬場の事業をそのまま進めるのか、あるいは立ち止まるのか、そういったことを判断したいというふうに思っておりますので、そういった意図で新聞社のアンケートには答えておりますので、よろしくお願いします。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) ありがとうございます。新聞社にお答えられた通りの整合する御答弁だったというふうに思います。 ②、検討委員会が3候補地を答申した後は、市がフラットな目線で最終候補地を選ぶとしていました。 そこで、市が最重要要件としたのが、景観上人目につかない場所でした。 私たち創政・改革クラブは、市民が望む要件とは本当にそれなのか。最終選考の基準は、市民の思いが行政の都合より優先されるべきではないのかとの考えから、昨年1万5,000部の市民アンケートを行いました。もちろんバッシングもいただく中で1,170部の回答を得て、國島前市長に対し、本年1月に中間報告を、同4月に最終報告をお届けしました。 西倉副市長からは、市が行うべきことを代行いただき、ありがたいとお労いのお言葉もいただきました。 アンケートの数値結果とそれから回答はがきにびっしり書き込まれたたくさんの市民意見を前市長にお届けしているので、ぜひ田中市長の経緯や意見の整理において、しっかり参考にしていただきたいというふうにお願いをいたします。 具体的には、添付資料2ですけれども、その1つ目といいますか、1点目として、市が候補地の最重要要件とした人目につかない場所というのは、市民感覚から根拠は極めて薄いばかりでなく、亡くなった市民の尊厳に対する市の感覚に、むしろ憤りを感じているという市民が多かったこと。 2点目として、丹生川候補地は火葬場として遠くて不便だという声が多かったこと。それについては、以前に示した人口重心表示図や、私たちの実測の到達所要時間表に加え、新資料3として、行き来に伴うCO2の排出量比較調査表も添付をさせていただきました。 3点目として、大萱候補地への経路が、特に冬季は非常に危険であると感じる市民が大変多いこと。これについては、市の道路建設においての斜度基準8%未満を大きく超える箇所が複数か所存在している調査結果資料、また、市の維持課発表の積雪量の比較調査結果資料も資料3で示させていただきました。 4点目、特定の宗教団体の関与は避けるべきだと考える市民が多数あること。これについては先ほど述べさせていただきました。 以上4点に加えて、なぜ市はこの件に関しいろいろ事実を隠そうとするのかという点。新火葬場建設検討委員を務められた外部専門知見のお一人でさえ、答申後の経緯から、当時十分な情報を市から得られていなかったという、疑念についての御不満を公的な場で発言されたというようなことも聞いています。 これらについて、ぜひ新市長の経緯や意見の整理の中で、身びいきにならない確たる御検証をいただき、今後の誠意と責任ある行動につなげていただきたいと思っています。市長の考えを伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 新火葬場建設事業につきましては、これまで有識者とか市民の代表の方で組織する検討委員会において、調査検討を重ねられて、候補地3件を順位づけて答申されたと。 その後、市が3件の候補地から建設案を選定しましたけれども、建設検討委員会における検討段階から、議会であるとか市民の方々の御意見をお聞きしながら進めてきた事業であるということは、私はそういうふうに捉えております。 また、福祉文教委員会のほうから議会の、特に広く市民に対して誠意を持って説明責任を果たし、課題への対応、対策に当たるようにという意見を付されていることも承知しております。 私自身、先ほども申し上げましたけれども、選挙期間中には多くの方から御意見をいただいております。 今後、新火葬場の建設を進めるに当たりましては、先ほど申し上げましたように、経緯であるとか、様々な意見、あるいは議会のこれまでの対応をやっていただいておりますし、もちろん検討委員会のほうでの答申も出ておりますので、丁寧に対応する中で、課題をしっかり洗った上で事業を進めていきたいというふうに考えておりますので、決して身びいきとか、そういったことは考えておりませんのでよろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 御答弁いただきました。ありがとうございます。 それでは、3番目の質問、GIGAスクール構想における情報リテラシー教育及びメディアリテラシー教育について伺います。 GIGAスクール構想については、これまでも多くの議員が市と議論を交わしていますけれども、私からは今まであまり語られてこなかったリテラシーについて、市と課題を共有したいというふうに思っています。 オープンソースインテリジェンス、略してOSINT、オシントと呼ばれる情報諜報活動の手法があります。 諜報活動とはいっても、あくまで合法的に入手できる資料、例えばプレスリリース、マスメディア、報道、インターネット、新聞、書籍、電話帳、科学誌、その他様々、誰でもが入手しようと思えば手に入れられる情報元を調べて突き合わせる手法であり、近年メディアに急激な広がりを見せています。 オシント技術を駆使して、国際紛争などの疑惑を解明し、発信しているベリングキャットという独立非営利の民間調査報道機関があります。これまで数々の、言葉は悪いですけれどもスクープを発信し、ニューヨーク・タイムズなど世界のメディアから高く評価をされている多くのボランティア構成員を世界中に持つ団体です。彼らもハッキングや秘密の情報元は一切使いません。 テレビでアメリカの青年を取り上げていました。彼はベリングキャットではないですけれども趣味としてオシント技術を駆使し、SNSを発信しているアラバマの大学生です。彼は自分のパソコンで得られる膨大な衛星情報を分析して、電源を創出して、情報が遮断されているウクライナの国内で一定地域にロシア軍の攻撃が行われ続けていることを突き止めて発信したことが評価されています。 もちろん、それとても受け手側が審議の確認努力も当然必要なわけですけれども、彼の語った言葉が印象的だったので、ちょっと紹介したいと思います。 僕は真実を隠して、フェイクニュースが蔓延する社会に育った。僕は僕の手で自分の真実を見つけ出したいんだ。 少し大げさな引例になってしまいましたけれども、リテラシー能力の本質というのは、そこにあるんだというふうに僕は考えています。自分は考えています。 情報を読み解き、物事の本質を見抜き、見極めるために、情報リテラシー教育は極めて重要かつ必要な分野だというふうに認識しています。 そこで1番ですけれども、文科省は2025年1月実施の大学入試共通テストから、新教科として情報を加えると正式発表しており、その出題範囲に情報リテラシーが含まれています。 情報リテラシーは、情報モラルと取り違えられやすいですけれども、関連性は深くも全く重なり合うものではありません。入試に必要だからではなく、人が情報社会を生き抜くための必須の概念と手法だというふうに捉えています。 本市学校教育における情報モラル教育は評価をさせていただいておりますけれども、情報リテラシー教育においての認識はどうなのか。本年3月の榎議員の質問でも触れられておりますけれども、今回特化してリテラシー能力の本質と重要性を教育行政としてどう受け止めているのかをお尋ねしたいというふうに思います。 ○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 情報リテラシー、情報活用能力の教育の本質は、目的のために適切に情報を活用する能力を育成することと考えています。 また、情報リテラシー、情報活用能力の重要性というのは、全ての学校の学習の基盤になる力として、教育課程全体の中で確実に育む必要があると考えています。 学校では、現在1人1台タブレットが導入され、インターネットも活用し、多種多様な情報を瞬時に手に入れることができるようになりました。これまで以上に、幅広い情報を使って学ぶ授業というのが行われるようになったんですね。 現在、必要な情報を検索、選択し、情報が正しいか判断しながら、考えをまとめ、伝えるといった学習活動を行う中で、情報リテラシーを育成したいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 御答弁をいただきました。 十分な御認識は持ってみえるというふうにお伺いをしました。 来ていらっしゃる方々が、小中学校教育では少し早過ぎるんじゃないか、難し過ぎるんじゃないかというような概念で捉えられるとしたら、やはりそれは、子どもたちの一生の大きな損失につながるんじゃないのかななんてことを思っています。頭の軟らかいうちに、その意識の土壌だけは耕しておく必要というのはやはり僕はあると思いますので、そういうところ重要かなと思います。 後ほど触れるメディアリテラシーでもそうなんですけれども、素直で聞き分けのいい子ども像を求める気持ちというのは、私自身にも肯定的に内在をしているわけですけれども、それだけでは、これから生きる力を授けるには十分ではないということを、現代社会の闇に直面している私たち大人は自覚しなければならないのかなと、そんなふうに考えています。 そこで、②本来の意味での情報リテラシーの認識は、各小中学校間や教職員間において均一に浸透しているか、また、子どもたちとの意識共有についてはどうか。この領域での学びの十分な質と量は確保されているか。子どもたちの理解度、習熟度をどう評価しているか、お聞きします。 ○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 情報リテラシー教育は、当然小学校1年生でも早過ぎることはないと考えています。 その認識は、市内の教職員に均一に浸透していると捉えています。ただ、子どもたちを見ると、やはり小中学校の学年により、当然その認識は差があると考えています。 そこで教職員の指導力の向上ということがポイントになります。高山では、指導力にたけた教員のワーキンググループをつくり、情報発信や研修を行い、教職員の情報技術や指導力を高めるというように、現在日々努力しております。 次に、情報活用能力の学びの質と量はどうなっているのかという点につきましては、これは、質と量は学習指導要領に位置づけられており、それを確実に行うことがそれを確保することにつながると考えています。例えば国語では、情報の関係や整理といった情報の扱い方についても、小学校から中学校まで段階的に扱っていると。 また、中学校の技術家庭科では、情報モラルや情報セキュリティ、そしてプログラミングの学習を通して、実際情報と自分たちの身の回りの社会とどうつながっているのか、そしてそれをどのように活用すればいい状態になっていくのかというようなことの理解を深めながら、それを実際やっていこうというようなことを現在挑戦しているというところです。 各教科や様々な活動を通して、質と量の確保に現在努めています。 最後に、子どもたちの理解度、習熟度についてはどのように評価しているかという点につきましては、御存じのように小中学校では高校のように情報科というような教科はございません。そこで、各教科などで子どもたちの学習状況を把握し、評価している。資料やインターネットなどこれまでよりも多くの情報を、授業中子どもたちは使って考えています。そういった姿から、市内の児童生徒の活用能力は高まってきていると評価しています。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 御答弁をいただきました。 もう既にいろいろ取り組んでおられるということで、その辺も承知は承知なんですけれども、今のお言葉ですと、まだまだその効果は今まだ見極めならん、その途中段階にあるのかなというようなふうにも捉えさせていただいております。 本当に正面からがっぷり四つで取り組んでいくという体制が、今後の教育行政の肝なのかななんていうふうにも感じさせていただきました。 ③ですが、メディアが発信する情報を批判的思考を用いて判断するということで、意図や意味を読み取るスキルを身につけるメディアリテラシー教育は、情報リテラシー教育においてコア的な意味合いを持ちます。 多くの高等教育現場では、既に取り入れられている概念であり、文科省でも、初等中等教育におけるメディアリテラシー教育の教材を改善、充実させる方針が示されているほど、今後の学びの大切な領域だというふうに考えています。 その一環として、文科省は、新学習要領において、新聞を教材とすることを位置づけており、第6次学校図書館整備等5か年計画において、小学校は2紙、中学校は3紙、高校は5紙の配備を進めているというところらしいです。これは選挙権年齢や民法上の成人年齢の引下げを踏まえたものであり、5年間で190億円の地方財政措置も報じられておりました。 クリティカルシンキングの教材でありますので、新聞は複数でなければやはり意味がないと。複数であればあるほど、その効果は多分大きくなるような気がします。 3月の榎議員の質問以後、新年度において、本市の各校における新聞の配備は進んでいるのか。国の予算措置活用はどうなっているのか。また、学習面としての活用はどういった状況かをお聞きしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 高山市教育委員会では、議員の御紹介いただきました文部科学省の第6次学校図書館図書整備5か年計画策定の通知を受けまして、新聞配備の充実については、各小中学校に推進を促しているところです。 現在の高山市の小中学校の新聞の配備の状況は、3月にお答えしましたとおりで、現在も小中学校ともに平均2紙を配備しています。 それらを使いまして授業では、国語の教科で児童生徒が新聞を使って情報の伝え方について学び、複数の新聞を読み比べ、違いを学んでいます。 今後の方向性なんですが、メディアの特性を理解し、よりよい受け手や送り手を育成するメディアリテラシー教育を推進するものとして、5か年計画で推奨されています小学校2紙、中学校3紙の配備というのは、これは確実に達成させていただきたいなというふうに思っております。 国の財政は、地方財政の交付も算定も入っているはずなので、しっかりとこの辺は進めさせていただくべきところかなというふうに思っています。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) 3月、その状況から、まだそんなには変わっていないのかな、平均2紙というような状況で今も推移しているということで、国の予算活用、国の予算がありますので、ぜひ、これを活用しながら、進めていっていただければいいのかなというふうに思っております。 内容にしろ、教材にしろ、これまでとは違う学校のスキルを求められているような時代で、ぜひこのリテラシー教育を推進させていっていただきたいなということを言わせていただきます。 ④ですが、本年8月文科省総合教育政策局及び初等中等教育局から、各都道府県とその学校図書館担当課などに宛てた1人1台端末環境下における学校図書館の積極的な活用及び公立図書館の電子書籍貸出サービスとの連携についての文章では、児童生徒の資質、能力を育成するためには、教材、書籍、新聞、インターネットなどを効果的に組み合わせて活用することが重要だとし、学習センターや情報センターとしての機能を有する学校図書館の利活用が大変有効だとして、その取組実施の積極的検討を求めるものでありました。 こういった、むしろ社会的なニーズにも近い情報教育の方向性について、市は具体的にどう取り組まれていくのか。学校図書館や公立図書館との連携を今後どういった形で進めていこうとしておられるのか、お尋ねをしたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 最初に、高山市の現在の学校図書館の状況としましては、国が目指している全小中学校、つまり学校図書館の図書標準を達成しているかどうかという点につきましては、これ達成しております。 また、同じように上げている図書館指導員の配置についても、高山市は全小中学校に配置しているという状況です。 そういう中で、8月の文部科学省の通知を受けて、学習センター機能と情報センター機能のさらなる充実という点では、百科事典や図鑑、教科書に関わった図書、そういったものを継続、そして推進とその導入については考えておりますし、また情報センターというところでは、子どもたちや教職員の今日的なニーズに合った図書、あるいは新聞等のところ、導入も一層図っていきたいと考えております。 また、大きく今変わってきたのは、タブレット端末を使えるようになったというところは非常に大きな変化です。授業中インターネットの活用という点もありますけれども、通知にあるような公立図書館との電子書籍の活用ということは、タブレットの活用方法の中にも含めまして、今後研究、そして進めていかなきゃいけないことだと。どのように連携していけばいいのかということを、これから研究していく段階だと考えております。 ○議長(水門義昭君) 倉田議員 ◆17番(倉田博之君) お答えをいただきました。 数字的なものはもちろん、冊数であるとかそういったものはもちろん十分であろうかなというふうに思っていますけど、今、教育長も言われたとおり、それをどう活用して組み合わせていくのかというようなことのノウハウも含めて、まだまだこれからのところがあるんだろうというふうに思っています。さらなる御努力をお願いさせていただきたいと思います。 今の学校は、私の体験などからは本当に概念からしても質が違ってきておりますので、正直、分からない部分ばかりなんです、私も。ただ情報分野の学びがとんでもなく大切なことだけは分かります。 子どもたちのハードの扱いということは、そんなに心配はしておりませんけれども、問題は、その操作技術だけに収まらない部分であって、それについても、教える側さえ見聞きしたことがないものばかりで、しかしながら確実に子どもたちに力をつけなければならないという、そんな現代社会の責務があるというふうに考えております。 教育環境の整えは、当然国の主導で進められるものでもありましょうし、それで結構だと思いますが、その最低限をクリアしてそれでよしとしてはほしくないなというふうに思っていまして。教育現場こそが、そのリテラシー能力も駆使しながら、社会状況をリサーチしつつ、学びにどれだけでも有効な手段、手法を探り当てて、取り組んでいっていただきたいなということを思っています。 それが本市特有の取組であったり、そのために、市の単独予算が入り用であったりというようなことがあったとしても、幸い田中市長は教育行政の独立性、独自性を大切にされるというお考えをいただいていますので、前向きな具体的提案でさえあれば、融通は利かせていただけるものなのかなというふうに私自身は期待をしているところです。 教育委員会、本当に大変でしょうけれども、どうか頑張ってください。 以上で質問を終わります。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、倉田議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 休憩します。     午前11時28分休憩  ――――――――○――――――――     午前11時40分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、中田議員。   〔23番中田清介君登壇〕 ◆23番(中田清介君) 午前中、2人の同僚議員の質問をお聞きしておりました。 基本的には、行政は、市民が納得可能な説得力を持って、自分たちの執行責任を語れるのかというところではないかというふうに思っています。 岩垣議員の指摘された問題、倉田議員の指摘された火葬場問題についても、これまで、どれだけ不誠実な答弁でその場をやり過ごすことだけを繰り返してきたのか。今日の別添の資料を見ても、明らかになっているところです。 役所の風土というもの、行政の持つ企業風土というようなものも、この12年間を振り返って反省することから田中新市長は始めるべきではないのか。そのことが一番今回の選挙結果に表れておったというふうに私は見ます。 全面の信頼を受けたのか。そうじゃない。ある程度の反対票がこれだけ浮かび上がってきている。それも、過半数を超えない範囲である。そういった点をしっかり反省点として、受け止めていただき、今後の市政執行に当たっては、御留意をいただきたいというふうに思っております。 6日の施政方針のお話をお聞きしましても、少し私たち、あまりぴんとこないところがあったというふうに思っています。その証拠には、議場では、新市長の施政方針説明後、1人も拍手がなかった。何か感動するものがあったのかといえば、少し平板過ぎたんじゃないかというような、私は感想を持っております。 地域というものをどう捉えて、地域をどう、問題点があるのなら克服して改善しようとするのか。 前市長の全てを受け継ぐつもりはないというふうに、選挙期間中からおっしゃっておりました。大変、私はそこには感動いたしております。それから、個々一つ一つの指摘についても、非常に賛同する内容も持っております。 しかし、本当の意味での地域をどうするかということの理念というものが少しぐらついておったのではないかというふうに思っています。 今回は、その辺のことを感じた内容につきまして主に質問項目といたしております。 まず、その前に、私が思った不明確な施政方針についての話なんですが、私は、6日のお話を聞いてから、改めて1月31日付の自治日報東京大学名誉教授の神野直彦氏が指摘されていた生活の場としての地域再生という一文を思い出して読み返してみました。 氏の自治日報のコラムでは、内橋克人氏と筑紫哲也氏、両方とも偉大なジャーナリストなんですが、既に鬼籍に入った方の実績を踏まえる中で、生活の場として再生させる、その理論がどちらも活動の中に読み取れるということで紹介をしておみえになりました。 片方は、スローフードの運動、片方はF・E・Cの自給圏という問題、どちらも地域をどう捉えるかという問題だったというふうに指摘されています。 氏はまた、地方分権といえば、国家に対し地方政府の決定権限を強化していくことを意味する。その根拠といえば、地方政府が人間の生活の場である地域に基礎づけられた政府だからであるということも述べられております。この場合、地方と国家という対極に立って言えば、地方という意味はリージョン、本当の地域である。ローカリティという意味の地方ではないんだということで少し解説を加えておみえになります。 地方創生で意識されている課題は、地方の人口減少であり、中央を支える地方の消滅であるとも言われております。 人間は人口ではない。一人一人の人間が、かけがえのない存在であることを無視すると、人間は人口に変わってしまう。人間はいつ人口になってしまったのかといえば、重商主義の時代である19世紀を経て、富国強兵、殖産興業の下に、人間を労働力や兵力などの手段だとみなす、そういう風潮の中で人間は人口になってしまうんだと。人間を手段とする社会では、人間は人口になってしまうんだと。ゆえに我々は人間を手段とするのではなく、目的とする社会を希求して、地域再生を唱道しているのである。先生一流の文明論に基づく解説です。 工業社会では、生産機能が生活機能の磁場、磁石の場。つまり工場という生産機能が立地された都市が栄える。しかしポスト工業社会は、生活機能が生産機能の磁場となる。そのことを忘れてはならない。 ヨーロッパの地域再生の合い言葉は、環境と文化である。そういうことを言われるのはそのためである。 もう一点、文化とは人間の生活様式である。工業が破壊した自然環境を再生させ、文化を花開かせれば、生活の場としての地域社会は再生する。そうした生活の場として再生した地域社会には、学問、科学などが発展し、人間の生活を支える新しき産業が形成されるのであるということで、文明論に基づく地域創生と生活の場としての地域創生ということを解説しておみえになりました。 これを思い出して読んでみたんですが、その通りではないかというふうに思っています。 今回、幾つかの質問項目を挙げさせていただきました。 1として、観光で稼げない日本経済の現状分析が続く中で、市長が描く高山の観光振興の在り方と新しい財源確保についてと通告をいたしております。 今朝ほど岩垣議員も触れられました問題でありますが、改めて少し、私の視点からお尋ねをいたします。 ①として、これまでの観光の在り方を分析すれば、観光客の来訪と地域経済のリンクについては、厳しい現実がついて回っている。宿泊・飲食業の給与額は増えず、非正規雇用を増やし、地域への波及効果も限定的だった。2015年から5年間で平均給与が減少した産業は2つと言われる。宿泊・飲食業界はそのうちでも最低と言われている。 その原因とされているのがホスピタリティ産業としての未成熟さと、ホスピタリティ産業の経営技術の劣後、劣っているということと言われている。 観光振興の課題は、どれだけ需要を確保するのかではなく、需要をどれだけ付加価値創造に転換できるのかの時代に入っていると言われた中にあって、どのような方針でこの現状を打開していくのかというふうにお尋ねをしております。 これまでにも入り込み客数、観光客の入り込み客数だけを発表する中で、これだけ観光の消費額が増えたんだということを言われておりますが、それが、地域の税収にとってみましても効果が現れていない。税収効果というものはあまりなく、地域の産業が恩恵を受けるような状況になっているのかということも含めまして、見解を伺いたいというふうに思います。   〔23番中田清介君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 答弁させていただく前に、前段で中田議員がおっしゃったことにつきましては、私がこれから市政を運営するに当たっては、これまではどちらかというと、継続性であるとか、これまでやってきた市の市政について、これは高山市だけではないと思いますけれども、ある意味かたくなに、それに固執していく中で、そごが生じてしまうという事例というのは結構あったと思うんです。それについては、ここではっきり申し上げますけれども、仮に何か、私が運営してきた市政について、例えば議会の皆さんであるとか、市民の皆さんにこれはちょっと違うなというふうに思われたことがあるとすれば、しっかりと反省をして、年度の途中であれ、時期を見てであると思いますけれども、そのことについては改善していくということは申し上げたいということが1つと、あと、議員さんが御紹介した人間が人口となっていってしまったのではないかという点についてですけれども、私は選挙期間中におきましても、どのような仕事であっても、いろいろな方々、子育てを専念されている方々であるとか、汗水流して働いておられる方々、独り暮らしの高齢者の方々、そういった方々の顔をしっかりと思い浮かべて行政をすることが、私は大切であるということも申し上げております。そのことについては、今議員さんおっしゃられたこととはそごすることは全くないと思っておりますので、初めに申し上げておきたいというふうに思っております。 今、御質問の点でございますけれども、コロナウイルスの感染症によりまして、観光産業が中心とも言える宿泊・飲食業、あるいは小売業は非常に厳しい経営状態にあるということは認識しております。これらの人的接客サービスを提供するホスピタリティ産業と呼ばれている業態は、人材の確保が難しくて、宿泊業においては、働き方や雇用環境の改善を求められている現状がありますけれども、宿泊業においては、収益を上げていくために客数を増やすのではなく、例えば施設の高付加価値化を図る取組や、少ない人手でも、高い満足度が得られるサービスの提供による客単価を上げるという取組が始まっております。そういうふうに聞いております。 例えば、部屋数を減らすことで1組当たりのおもてなしの質を向上させて、組数限定サービスによる、例えば特別プランの提供であるとかということは動きが始まっているということは聞き及んでおります。 議員が御指摘のように、これまでは観光入り込み客数は重要な指標の1つでありましたけれども、今後は観光入り込み客数だけではなくて、観光消費額を増やすことを重視していく必要があると考えております。 そういう意味で、今現在の観光振興団体等のよりよい方向での組織づくり、体制づくりというのは大切であるというふうに考えておりますので、それにつきましては、積極的に進めてまいります。 また、観光事業者の方、あるいは受入環境の高付加価値化に積極的に取り組むことで、量から質へ考え方を転換していくことで、収益を向上させるとともに、伝統文化とか環境・地場産業など、包括した幅広い範囲での観光振興を目指しまして、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 中田議員 ◆23番(中田清介君) 問題なのはその最後のところなんです。どうやって官民でその環境をつくっていくか。 行政が前へ出て、観光接客業を、ホスピタリティを持ってやっていくということはできない。そういう意味では、市長が選挙公約の中で言われた、得意な分野は得意な人に任せる、それは当たり前だと思います。 ただし、行政というのは、それを束ねて指導していく立場にある。全体をどう整えていくかという責任がある。そのことについて、2番目の中で少し述べたいというふうに思います。 選挙期間中の公約や発言では、観光振興のための新しい財源の導入に触れられており、宿泊関係者からの反応は、コロナ禍のこの時期に、市長候補が一方的に打ち上げたことへの反発も出ていた。6日の所信表明を聞いても、市長は自分がこうしたいということについては図ってまいります、何々してまいります、取り組みますなどの言葉を多用されたが、市民合意を得て、政策を決定していくための前提である、市民の皆様の御意見をよく聞くという発言はなかったというふうに思う。 このことは、今朝ほどの岩垣議員の指摘でも少しあったのかなというふうに思っております。少し力み過ぎているのではないかというふうに受け取りました。 産業政策の柱でもある観光については、関連業界ばかりではなく、市民の合意形成を図ることが肝要である。これまで不足している入湯税の税源配分や、使途に対する徹底した議論を省くことなく、未来志向のまちづくりをオール高山で目指すとして、そのリーダーシップを発揮するのが肝要ではないのか。先ほども申し上げました。どうやってそれを整えていくのか。 具体論としては、役所の仕事と民間の仕事の区分けをどうつけていくのか。これまで観光振興1つ取りましても、役所の指導性というものが、どうやって民間の人たちに伝わっていくのかというところは少し曖昧であった。役所と民間の仕事の区分けが少し曖昧であった。 そういうことが、かの地、私ども、この産業建設委員会の重点施策の中で富良野市へ行ってまいりましたけど、その辺のところは上手に区分けをしながら、今後の指針というものを打ち立てておられた。このことが、役所の観光振興部門に対する少し警鐘であったのかなというふうに思います。 自分たちが、やはりそれを束ねて指導し、そして実行していく先兵になる。それはどういう立場で整えていくかといえば、あくまでも黒子に徹することであって、前面に立って営業を施行しておみえになる業界の団体の皆さんをどうやって支えていったらいいのか。また、市民にとっては、どうやって自分たちの市民生活の中で、そうしたホスピタリティの問題を観光客の皆さんに伝えてくれるのか。そうした区割りの問題は、これまであまり触れられていなかったというふうに思っています。 私たちは、富良野の観光振興の富良野ビジョンというものを読み込む中で、少しその辺は、高山市にあっても必要な政策の柱だなというふうに思って帰ってまいりました。こうしたことにとっての思いをお聞きしていきたいというふうに思います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 冒頭の御指摘につきましては、私の至らぬところもございまして、それを御指摘いただいたということで、素直に受け取りをさせていただきます。 今、議員さんがおっしゃられた、例えば役所と例えば観光振興団体との役割の明確化であるとか、役割が曖昧であるとか、そういったことにつきましては私も感じております。 特に、今この市長選挙に出る前は、観光コンベンション協会の役員として、そういった部分についてかなり真剣に考えさせていただきました。 役所というのは、基本的には、民間の団体であるとか、事業者の方々が、例えば観光分野であれば、経済活動がしっかりできるような下支えをすることに重きを置くと。具体的に申し上げますと、例えばターゲティングであるとか、これまで、最初の質問にございましたような観光客の入り込み数だけではなくて、様々な科学的な分析を基にした観光振興の在り方であるとか、そういったものはこれまで足りなかった部分であるということは率直に考えております。 そういうことは、やはり観光振興団体ではこれまでやってこられなかったこともございますので、役所としては、例えば財源の確保であるとか、あるいは制度を新しく設けるとか、そういった下支えをすることで、そういった活動をしていただくというような方向性は、私は今考えております。 高山市が例えば観光の分野で進むべき道というものもしっかりと共有されていなかったかなという点も、私は反省する部分があるのかなと。それぞれがそれぞれの思いで、プロモーションをされてこられましたけれども、あるいは誘客活動をしてこられましたけれども、例えばほかの地域から比べてみると、そういう部分で後れを取っているがゆえに、本当であれば、もう少し観光関係の方々の所得に反映されるべきものがなかなか反映されないとか、そういった課題も私はあるというふうに捉えておりますので、今後、先ほどの宿泊税の導入ありきというそういう側面ではなくて、どういう観光を振興していく組織が必要で、役割分担を行政とそういったところとやっていくべきなのかということをしっかりとお示しをさせていただき、またその段階では、様々な、例えば本当に観光業に関わる方々だけではなくて、例えば教育に関わる方々であるとか、あるいは障がい者に関わる方々であるとか、そういったいろいろな多種多様な関係者のお声も聞く中で、そういったものを組織づくりしていきたいなというふうに考えておりますので、今、中田議員さんが御指摘になられたことにつきましては、私も真摯に受け止めて、これから反映させていただきたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 中田議員 ◆23番(中田清介君) 私ども議会の産業振興、前は産業委員会で、どういった財源を使いながら、どの団体がどんなふうにその配分を受けて活動しているかという調査もしてみました。 今の問題になる入湯税、宿泊税の関連からいえば、観光関連団体が合併で複数存在する高山市においては、大変切り分けることが難しい問題でした。だから、1つにまとめて、入湯税そのものを、半分は民間にお渡しするから観光振興に使ってくれ、半分は行政が観光振興に使っているんだという中にあって、本当に重複する支出がないのか。それから、思い込みでやる支出がないのかということが非常に浮かび上がってきていたのはもう10年前です。 それから、いろいろな時代が変遷を続け、今日に至って、その経緯は、市長が今までの経験からいって一番お分かりになっている。 そして、今おっしゃったように、観光コンベンション団体にも籍を置いておみえになった。 その問題が一番分かっている市長の在任中に、やはりしっかりした方針を、関係団体といいますと、いつも決まってしまっているので、そうじゃなくて市民団体からもきちんとしたお声を聞きながら、ステークホルダーという中にちゃんとした市民の団体も位置づけながら、観光振興というものにもう少し指導性を発揮してもらいたいというふうに思います。 3番目でそういうことを言っております。 今必要な観光政策という面からいえば、行政の主導性と民間の実行力のすみ分けを明確にし、市民、事業者、行政がおのおのの役割をしっかりと自覚することである。これまでの観光行政の中で曖昧であった点を市民にも分かりやすく再提示して出直すことではないか。これまでの反省点に立って、その課題を洗い出すことから始められるべきだというふうに私は思っています。 ここでも言っております。富良野市のように、市民の受け持つ暮らしやすいまちづくりを通じたおもてなしの部門、DMOやDMCを活用する民間の協力体制や資金循環、それらについて細かな目標設定と、コロナ禍の中で浮かび上がった観光行政の足りなかった部分を補う市役所の指導性、それらを再構築するのが最重点課題なのではないか。預かり税の重複にもなりかねない税源の確保については、その前にやるべきことが残されていると考えるが。 少し、税源の充実ということには、今朝ほどからも御指摘ですが、入湯税の税源配分についても、これまで問題点がなかったのかといえば、幾つも出されてきておる。その1つとしてまだ手についてない、こういった議論をやはりしっかりとやってもらうことについてもお願いをし、その中でこそ、宿泊税の導入という観光振興に特化した財源というものの在り方が言えるのではないかというふうに思っております。このことについて見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、議員が御指摘になられたことにつきましては、私も大きな課題として捉えております。 観光を進めるに当たっては、これまでの狭義な観光という部分というよりは、例えば、もちろん観光客と住民の方の調和であるとか、文化資源の保全活用であるとか、あるいは自然環境の保全であるとか、あるいは教育であるとか、郷土教育であるとか、そういった部分にも及ぶ部分はございますので、先ほど議員さんがおっしゃられた地域の多様な側面のステークホルダー、要するに関わる方々、その方々の参加を地域経営に促すためにも、私は観光振興というのは1つの大きい手法ではないかというふうに捉えております。 もちろん、そういった方々の合意形成であるとか、同じ方向を向くであるとか、そういった方についてもやはりしっかりとやっていくべきだなということは考えておりますので、その辺りにつきましては、今、御指摘のありましたことは真摯に受け止めまして、今後進めていきたいというふうに考えております。 財源の確保につきましても、先ほど岩垣議員さんの御質問の中でもちょっと述べましたけれども、様々な税で取るのか、あるいは自主事業として取るのか、あるいはファンドとして取るのか、いろいろな手法がございます。その中で、もう既に御指摘いただいたように入湯税については既に導入しておりますけれども、仮に、宿泊税を導入するについては、その整合性であるとか、どういう税率にするのかであるとか、これまで入湯税の使途については様々な御意見がございましたので、これは特定な地域だけではなくて、実際に宿泊施設で入湯税を徴収しておられる方々の御意見としても承っておりますので、拙速に行うつもりは全くございません。私の任期中に、そういった体制をしっかりつくることで、できれば任期の半ばとか、後半くらいにはそういった体制をしっかりつくらせていただく中で、今後、高山市がより地域住民の方々の御理解を得ながら観光を進めていくという方策を取っていきたいと考えておりますので、また様々御意見ございましたら、一緒に考えていただけたらというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 中田議員 ◆23番(中田清介君) 今お答えいただきました。拙速は図らないと。 私この議論を聞いていまして、よく、引き合いに出すのは、滋賀県で始まっております交通税。赤字が続く滋賀県の私鉄の運行を、税という形で、皆さんで支えていただくということを提案しておみえになる交通税、少し、次元が違うなと。 地域を守るための犠牲的な精神から発露をした、そうした議論も参考にすべきなのではないか。観光振興に特化する事例が、使い道でも出ております。京都府でも京都市でも西洋式のトイレの充実ですとか、いろいろな使途が何億円といってついておりますけど、振り返ってみますとそんなに毎年毎年いただく宿泊税がそこに充当するかといったら、そういうものばっかりでもない。全般的な観光振興というものの定義をもう一度考え直すべきだというふうに思っています。 そういう意味からは、滋賀県で始まっております交通税というものを法定外目的税にするという議論、その矜恃というものは、少し参考にすべきだというふうにも思っております。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 中田議員一般質問の途中でありますが、休憩いたします。     午後0時11分休憩  ――――――――○――――――――     午後1時15分再開 ○副議長(谷村昭次君) 休憩を解いて午前中に引き続き一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○副議長(谷村昭次君) 中田議員。   〔23番中田清介君質問席から質問〕 ◆23番(中田清介君) 引き続き一般質問をさせていただきます。 2番目の課題として、コンパクトシティを目指さない中での人口減少問題並びに地域振興についてと通告をいたしております。 ①として、今回、①、②続けて質問の内容とさせていただきます。 6月議会では改めてクリエイティブシュリンケージ(創造的縮小)で捉えた高山市の持続可能性について取り上げたところである。その趣旨は、急激な人口減少社会にあっても、社会生活の維持に欠かせぬ相対的な活力を、地域の持つ豊かさの再評価で維持していこうとするまちづくりの理念である。 國島前市長もよく、過疎地域の人を1人として見放さないと言い続けたが、公共交通利用の問題や、買物の不便さなどについては、お手上げの状態でもあった。 市長の言われるコンパクトシティをあえて目指さないとは、どういう構想でのまちづくりを目指すものなのか。 人口減少問題は全国どこにでもある問題であるが、創造的縮小の持つ意味は、まずきちんと人口減少社会を受け入れることであり、その上で、地域の持つ豊かさを再評価し、健康志向と恵まれた環境の活用によって、急激な人口減少にあっても、社会生活の維持に欠かせぬ相対的な活力、その力を維持していこうとする構想であり、コンパクトシティの理論も絡めることによって、まさに小さくてもきらりと光るまち、それを指向することとされている。大切なことは、今ある姿を受け入れて、それを打開していくときのための具体策の提示ではないか。その構想が固まっているのかということを通告しております。 創造的縮小、今ある地方都市の現状というのは、先ほどの質問でも言いましたが、人口減少問題である。 先ほどの質問の中では、文明論としての神野先生のお話を交えて、少し指摘をしたところでありましたけれども、人口減少というものは、その捉えるところによって、人間の生活習慣、生活空間そのものに言及しているわけじゃなくて、人口減少という1つの現象を捉えながら、今ある姿を見つめ直す、そういうところから発想すると、どういう姿を田中市長は思い描きながら人口減少というものの姿をこれから解消していこうとされているのか、少しよく分からないところがあるので、その辺のところを解説していただきたいというふうに思っております。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、議員が御質問になられた趣旨というのは、人口減少が進んで社会全体が縮小していく中で、非常に難しい課題が山積している状況を踏まえてどういうまちづくりを進めていくのかということであるかというふうに理解はしております。 私、選挙戦を通じて、御指摘のように、あえて極端なコンパクトシティは目指さないことに挑戦したいということを申し上げてきました。 以前、大分前ですけれども、私ちょっと印象に残っているんですけど、倉田議員さんがコンパクトシティのことを触れられたときに、いろいろなコンパクトシティの定義があるということをおっしゃってみえました。 私が今考えていますのは、例えばそれぞれの地域に拠点となるものは残しつつも、根幹となる例えば医療であるとか、社会基盤での提供するサービスであるとか、そういったものを集約することで、人にそこに移り住んでいただく、そういったことにならないようにあえて挑戦したいという意味でございます。 恐らく合併して、日本一広い市になって、十数年前に合併した当時と、今は大分状況は違ってきているというふうに考えております。 基本的には、そこに住んでみたいと、住みたいという方がおられる限り、前の國島市長も言っておられますけれども、そこに生活をしていただけるような行政サービスは施していきたいということが根本にあるわけですけれども、ただその中にあっても、ある程度のコンパクト化はしていく必要があるかなと。ただ極端な、集約的なことにつきましては、私は、あえてしないようにしたいなというふうに考えているところです。 例えば、デジタル化であるとか、情報通信技術であるとか、人工知能であるとか、合併した当初は、そういったものというのはさほどクローズアップされておりませんでしたし、その頃に比べると今はそういった技術もかなり革新的に伸びておりますので、そういったものを活用する中で、例えば医療が遠隔で治療を行えることができる医療診療車の導入等についても示させていただいております。 先ほど議員さん、人口減少社会を受け入れることであると、構造的縮小の持つ意味ということをおっしゃったんですが、私もそのとおりであると思います。 やみくもに人口増を図るというところに行政のエネルギーを割くのではなくて、人口減少をしていく中で、いかに行政サービスを提供できるかということを、知恵を絞ってやらせていただきたいということです。 もしかしたら、大きな流れの中で、それが実現しないことがあるかもしれませんけれども、少なくとも私が市長である任期中につきましては、あえてそうならないようなことに挑戦したいということで述べさせていただいております。 人口減少とか少子高齢化の進展を見込んで、それに起因する人手不足の深刻化であるとか、経済の縮小であるとか、地域コミュニティへの影響などを考慮しながら、高山だからこそできる持続可能なまちづくりというのを目指したいというふうに思っておりますが、後の御質問でもございますけれども、それの1つとして、やはり地域にしっかりと目を配る部署はつくっていきたいということを考えております。 ○副議長(谷村昭次君) 中田議員 ◆23番(中田清介君) 田中市長の言われるその意味が、おぼろげながら私にも分かってまいりました。 しかし、よって立つところは、それによって人口減少社会をどう捉えて、どう立て直していくかという命題もあるわけです。 それの具体論がどこにあるのかということが一番問題なのではないかというふうに思っております。 コンパクトシティ、おっしゃるように、もう二十数年前の議論です。中心市街地をどうするか。これだけ広い合併が実現するなんてことを考えてもおりませんでした。 その中で内なる外縁部、外なる外縁部ということで支所地域と旧高山市の中心部との格差なんていう問題も新たに出てきた問題となっております。 今言われたように、それを解消する1つの手だてとしては、ハードに頼らないサービス提供体制の整備など、これは今言われるようなDXとか、新しいコンテンツを使った支所の充実というようなことに波及してくるんだというふうに思っております。 ただ、それをどうやって具体論としてまとめ上げていくか。今おっしゃったように、支所の充実ということが大きな問題になってきております。そのことについて③として申し上げます。 ここでいう地域振興は、支所地域のそれであり、口で言えるほど生易しい問題ではない。 第一には、地域の支え手となる生産年齢人口の層が薄いのである。その中で、過疎地域に住み続けられるように、そのための担当部署については年度内に新設すると言われるが、具体論で説明されなければ市民にはぴんとこない。今までのような屋上屋を重ねるような組織論なのか。ポスト配分は権限と責任の配分でもあると言われるが、その権限と予算配分はどうしようとするのか、きちんとした設計図が必要である。実態としての支所の充実のために、どのようにてこ入れをしていくのか、お聞きしたいというふうに通告をいたしております。 今までもかなり言われたことです。議会の一般質問でも問いかけられております。当初、合併直後では三方面支所に収れんをしていくんだと。最終的には、支所の規模を少し大きくして、支所にその権限と予算配分を任せる、責任ある立場の支所をつくるんだと言われていましたが、合併の最中、もうそれも、5年も経つにおいて、各方面支所なんていう言葉はもう飛んで消えてしまっています。 今度、田中市長が思われている担当部署の設置、新設については、どのような機構改革を目指されるのか、少しお伺いをしておきたい。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 合併をして、支所を配置して、その中で、一体感を醸し出す中でもその支所の特徴を出すような、例えば、地域審議会を設置されて、10年間は地域振興特別予算を提供する中で、地域の独自性を保つような施策を展開はしてきたことは、私、在職しておりましたので存じ上げておりますけれども、ちょうどそのときに、私が一番最初に管理職になりましたのが久々野支所でございました。それを2年間勤め上げた後、地域振興室であるとか地域政策課というところに配属されまして、地域振興室も地域政策課も予算は全くございませんでした。多少の予算はございましたけれども、その中でも、地域振興特別予算が、国の方針にもよりますのでなくなり、また地域審議会もなくなりという中で、一体感を保つ中では、その地域をどうするのかという視点というのが薄らいできたということは、私はずっと感じてきております。 地域振興課というところは、今考えていますのは、しかるべき課、全体を調整するところ、企画部に地域振興課を、地域振興課という名前をどうするかについては、これから検討させていただきますけれども、それを配置して、職員にそれぞれの地域をくまなく支所と一緒に回っていただいて、ややもすると、画一的な行政サービスを提供しがちなところを、その地域に特化した、地域の特色に合わせた施策を、細かいものを打っていくことで、先ほど岩垣議員さんとの議論の中で申し上げたんですけれども、できることをしっかりとその地域でやっていくことをつないでいって、相対的に、その地域、あるいは高山市全体を活性化していけたらなという、そういう思いがございます。 特に、予算とか権限という話ではなくて、どれだけ職員が地域に入っていって、地域の方々のお話を聞いて、地域の方々の困り事であるとか、思いであるとか、それを拾い上げる中でそれを具現化していって、その具現化する過程において、地域の方々のやりがいであるとか、そこに持つ誇りであるとか、そういったものを醸成したいという、そういう意図がございますので、その結果、地域がよくなる、よくならないということがあると思いますけれども、またそういった取組をする中で改善するべきものについては改善していきたいというふうに考えておりますので、御理解よろしくお願いいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 中田議員 ◆23番(中田清介君) そういったところの具体論がまだ語られないんだというふうには認識をしております。 これまで、支所の問題につきましては、何遍も一般質問を継続しております。 いったい寄り添うというのはどういうことなのか。政策にそれを反映させるということはどういうことなのか。よほどの権限が集中しない限り、今の状況では本庁一本やりなんだ。そういうことを中心に支所を経営してきたの。だから、支所の役場があることによる公務による地域の振興なんてことは、もう言えなくなってしまっている。役所が、支所があることによってその地域を潤す、その役所の経済効果なんてことは、もう、完璧になくなってきている。そういう中で、支所長の権限とか予算配分というのを考えなければ、やはり思ったような施策ができないんだ。それは現実だと思います。 だから、それをどの程度薄めながら、役所の本庁の4役と言われるような幹部職員に全てお伺いを立てるんじゃなくして、独自性を持った政策が実行できるかというのは、今後の課題だというふうに思っています。 だから、そのことについては、もう一遍、手薄になってしまっている地域の人口分布、先ほど申し上げたように、生産年齢人口の厚みが極端に薄くなってしまっている現状をどう捉えて、支所の皆さんに、支所地域の皆さんに寄り添ってやるかという議論は、あだやおろそかにできるもんじゃないというふうに認識をしておりますので、その構成をどうするかについては、庁内でもやはり本気になって議論をしないと、住民が忘れ去られてしまう本庁だけの議論になってしまうおそれがある、そういうことを申し上げたかった。 そのようなことで、実態としての支所の充実のためには、よく庁内でも議論をし合って、また、特に支所に住まれている皆さんの意見もよく取り上げながら、全体として調整をしていっていただきたいというふうに思っております。 少しまだ残っておりますので、質問を続けます。 3番目として、市長が描く多様性と議会が描く多様性についてと通告をいたしております。 市長は多様性についても言及されている。多数の価値観で少数の選択肢を奪わない。こうした考えを政策に盛り込んでいきますと。 翻って、私たち議会は多様性を多角的に捉え、女性の政治参加に門戸を開くこと、地域によって課題は異なり多様であること、多様な年齢層の参加によって民主主義に厚みをつけることといった考えを、さきの定数議論の中で発表してきている。合併で広くなった面積の中で、どうしたら幅広い市民要望を酌み取れるかの議論であり、住民自治の実現に欠かせぬ問題提起と捉えている。 市長の思い描く多様性と議会の思い描く多様性には接点はあるのか、今後の展望を問うておりますが、お考えがあったらお聞きをしておきたいと思います。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 先ほどの支所の関係なんですけれども、恐らく議員さんは、今までの行政運営を前提としてお話をされていらっしゃる部分があるかと思ったんですが、その部分につきましては、私が思うような、私が思うようなというか、それに沿った内容に変えていくつもりです。 ですから、必ずしも本庁で全部集約をして、全部政策を練るとかという、そういうところにつきましては、市役所の中の対応、運営につきましても変えていくつもりでおりますので、そのことは申し上げさせていただきたいですし、恐らく、職員の方々もそういったことを期待していらっしゃるんじゃないかということは思っております。 次、多様性の関係ですけれども、私の公約にあります多様性を尊重し合える社会の構築につきましては、今御指摘ございましたように、LGBTQであるとか、障がいを持っている方々など、少数とされている方々の生活や、人生における選択肢を尊重して、その生き方をできる限り保障すると。おっしゃったとおり、多数の価値観で少数の選択肢を奪わないということでございますが、その根底には多様性は組織や社会の力であって、少数であっても様々な価値観や考えがあるからこそ、活発な議論が生まれて、社会は活性化していくということを考えております。 そのためには、自らと違った考えがあることを認識して、それらの多様な意見に耳を傾ける、そのような市政運営を進めていくという考え方は、今、議員さんがおっしゃった、議会が思い描く多様性と通ずるものがあるというふうには認識しております。 ○副議長(谷村昭次君) 中田議員
    ◆23番(中田清介君) ダイバーシティと言われる多様性、世の中の多様性ということを地方議会に身を置く一員として捉えた場合には、多数決の中でもすくい取られなかった落ちこぼれた人たち、今、おっしゃっていただいたような少数者であっても、やはりきちんと主張ができる世の中の実現、こうしたことを、やはり議会基本条例に立ち返って言えば、先ほど申し上げたような議会構成の多様性、それから選挙における被選挙権における多様性、こうしたものを重点に捉えなければ、我々議会の説明責任というものもおぼつかなくなる。そういった意味で今回、市長の思い描かれるダイバーシティ、多様性というものの意味を少し問いかけてみました。 必ずしも地方分権の中での議論、先ほど冒頭で申し上げた地域というものの捉え方が地方分権というものの中身も変えてまいる、変えていくんだという思いでおりますので、これからは、やはりそこに配慮した行政運営、それから議会のチェック機能、それから議会の住民代表機能、そうしたものの実現のためには非常に大切な要素であるダイバーシティ。議会はそのような行動で、公平公正なまちづくりについての意見はこれからも述べていくつもりです。その辺のところは、市長の方針とも相まって暮らしやすいまちづくりの実現に向かって、議会としての矜恃を保ちながら、今後も努めていきたいというふうに思っております。 次、4番目です。これも市長の言われる望ましい姿というものを読んだ感想です。 国が示す政策誘導は、近年ますます強くなっている。飛騨高山らしさにこだわる独自の市政運営についてと通告をいたしております。 ①国などが示す方向性や、一時の流行や現象に全て答えなければならないと考えてしまうきらいがあるとして、市長は飛騨高山を磨くことを強く意識して市政運営を行うと述べられた。 しかし、このところの国の方針は、KPI導入などを通じての政策誘導に傾きがちである。そのことは、自治体の総合計画の上に、総合戦略の策定を推奨して、予算面からの誘導策を打ち出してきたことや、SDGs関連の推進計画やスーパーシティ構想などの採用にまで、枚挙に暇がない。今や、全て国の機関の施策の中での補助金にまでその傾向が強いと言える。 今までの國島市政の中では、それらに飛びつくことでの予算確保にきゅうきゅうとしてきたのであるが、市長は国との関係について、どのような判断基準を持って今後対応をしていくおつもりなのかというふうに通告をいたしております。 私が言う予算確保にきゅうきゅうとしてというような表現にはかちんとこられる方も行政幹部の中には見えると思いますが、実態はそうなの。 それで予算面のバックアップを確認しない限り、各種施策の発表にはならなかった。特にコロナ禍における補助政策、助成政策については、国が盛られた予算措置等々の裏づけがなかったら、ほとんど発表できなかったという側面を持っています。そういう1つの側面を持っている国との関係の中においては、市長が言われる飛騨高山らしさにこだわる独自の市政運営についてのお考えを聞いておきたいというふうに思います。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 先日、議場でも述べさせていただいたんですけれども、地方公共団体の役割というのは、住民の皆さんの福祉の増進を図ると、皆さんが幸せに暮らすことであるということは捉えております。 私がこれまで国の様々な政策、今議員さんがおっしゃったKPI導入などを通じて政策誘導に傾きがちであるという、そういった事例は在職中からも感じておりました。 例えば、国としては一律に、各それぞれの地域に特化した設計で国としての補助金であるとか施策を展開することがまずできないと思っています。その中で、ある程度一定の、一律の基準をもって、各地方自治体などに通知をする中で、こういった補助金というインセンティブがありますということを唱えて、国の思う自治をやってこられたのかなという気はしております。 ただ、その国の示す方向性や、例えばSDGsであるとか、あるいは地方創生であるとか、そのときに国が押し出されているもの、あるいは現象であったとしても、本当に高山に必要なのか、市民の幸せにつながるものなのかを私は判断のよりどころにしたいということを考えております。 ですから、補助金を取りたいがゆえに、高山市民の方々にとって本当に大切な事業を、市が独自に初めてやっていいのかどうかということも、やはり判断する必要はあるかなというふうに思っておりまして、そういう言い方をさせていただいております。 決して財源を獲得するために国の政策に乗じていくのではなくて、本当に国の政策であるとか補助金を有効に活用して、私どもがやりたいと思っている政策を進めていきたいということでございます。 その過程においては、当然、大きな政策等もございますので、市民の皆様の御意見をお伺いしたりとか、議会の皆様とも活発に議論をさせていただくなど、思いを共有しながら、市政運営をしていきたいというふうに考えておりますので御理解願います。 ○副議長(谷村昭次君) 中田議員 ◆23番(中田清介君) そういったときの判断基準なんです。我々は総合計画というものを自主的に地方の我々の必要な政策として、その時々で10年間の重点事業として位置づけている。しかしながら、その上に国は、またKPIの導入などを通じて、総合政策というようなものを、総合戦略を載せてきた。その中において、今言われるようなことの判断基準をきちんと示していけるのか。 だから、そのときそのときの説明は分かるんです。しかしながら、自分たちが大切だと思った総合戦略の中に、前回は、前田谷部長がうまく丸め込んで入れておきましたというふうな御答弁でしたけど、なかなかその相反する面が必ず出てくる。国が望むKPIの導入って、じゃ、独自に私たちは総合戦略がここを厚みをつけましたといって、予算誘導に動いてくれるのかというようなことまである。 だから、その辺のところは、今後の市長の政策方針に沿って、よく議論をしていただくべき事項の1つなのではないかというふうに思います。 ですから、最初にも申し上げました生活の単位としての地域振興という問題は、非常に大きな問題を抱えている。 神野先生の言われる生活の場としての地域再生、こうした問題がこれから大きく市長の肩の上におもしになってかかってくるというふうに思いますので、またその辺のところは今後の推移を見守りますので、庁内議論を始め、市民との対話を深めていただいて、行政運営に努めていただきたいというふうに思います。 以上で、私の一般質問を終わります。 ○副議長(谷村昭次君) 以上をもって、中田議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(谷村昭次君) 休憩します。     午後1時47分休憩  ――――――――○――――――――     午後2時00分再開 ○副議長(谷村昭次君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○副議長(谷村昭次君) 次に、松山議員。   〔18番松山篤夫君登壇〕 ◆18番(松山篤夫君) 皆様、お疲れさまでございます。 時代小説家、池波正太郎といえば『鬼平犯科帳』ですが、彼は文人屈指の食通であったことは有名です。晩年、夫婦でフランスの田舎を何度も訪れたそうです。 そのわけは、ホテルで出るものがいつも地産、自家製でうまかったからと。地元の地、場所に地力があった。 地域資源を栄養に地力アップで、最初に観光政策から一般質問させていただきます。 コロナ禍で大打撃を受けた日本のインバウンド観光ですが、観光庁の上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略検討委員会の報告書は、ポストコロナのインバウンドの回復には富裕層の取り込みが不可欠で、インバウンド富裕旅行の受入れにかじを切るべきときだと報告しています。 同報告書は、訪日旅行者の長期滞在と消費拡大に向け、これまで日本が誘致し切れていない富裕層など上質な観光サービスが求められ、これに相応の対価を支払う旅行者の訪日、滞在の促進を図るための環境整備が急務と指摘しており、これを実現すべく上質な宿泊施設の開発促進やコンテンツの磨き上げを中心に、サービスを支える人材の確保、育成や、効果的なプロモーションを含め、世界中の旅行者を引きつける上質な観光体験を実現するための一体的な取組を、官民挙げて迅速かつ強力に推進する必要があると言っています。 そして、政府目標である2030年の訪日旅行者数6,000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円を実現するためには、これまで以上の上質な観光サービスによって、旅行客の消費単価を上げることが急務であると指摘しています。 そのためには、相応の対価を支払う富裕旅行者の訪日と、滞在促進を図るための環境整備が必至になります。 市は、富裕旅行者の取り込みに対してどのような取組を考えておられるのか、最初にお伺いさせていただきます。   〔18番松山篤夫君質問席へ移動〕 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、議員御紹介いただきました、上質なインバウンド観光サービス創出に向けた観光戦略検討委員会の報告につきましては、おっしゃられたとおりだというふうに思っております。 1人当たりの消費額が大きくて、経済の活性化への効果が大きい外国人富裕層の取り込みは、当然、必要であると私は考えております。 ただ、私としましては、もう少し富裕層の中でも的を絞って、高山固有の有形無形の伝統文化であるとか、風土、風習、物づくりの背景であるとか、人の営みに関心があって、その価値を理解して対価を払う外国人をターゲットにしたいというふうに考えております。 必然的に、そういった体験あるいは体感していただくことについては、普通、通常の観光で来られる外国人の方に比べて、当然、単価的には高くなってくると思いますし、これまで直接観光に関わってこられた方々以外のところにもお金が落ちる仕組みもできるんじゃないかということで、そういうふうに考えております。 こういった外国人観光客、旅行者の獲得に向けて、今言いましたような自然とか伝統文化であるとか、伝統工芸などの多様な観光資源を活用したプログラムの造成であるとか、松本高山Big Bridge構想では、世界水準の山岳リゾートを目指すということになっておりますし、人材育成も含めて、先ほどから議論もございますが、行政とそれを推進する観光振興団体との役割を明確化する中でしっかりと連携して、インバウンドの取組にも私はこれから取り組んでいく必要性があるというふうに考えておりますので、その辺りにつきましては恐らく議員さんと同じような方向を向いているかというふうに思っております。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 今、市長より御答弁いただきましたが、もう少し質問させていただきたいと思います。 ポストコロナ時代にも、世界の富裕旅行市場は大きく成長することが予想されています。 観光庁の委員会では、今後の富裕旅行者の訪日促進に向けた基本的な考え方について議論されました。いろいろな意見が出ました。 その報告書によりますと、今回の調査において、着地300万円以上消費の層と、飛行機賃を除いた着地の300万円以上の層と、100万円から300万円消費の層のセグメントについて委員会での議論がありました。 日本が世界の憧れとなるよう、インフルエンサーとして日本のブランドを高め、口コミで周辺に影響を与えるような富裕層のターゲット設定と、そのための施策が必要であるため、より高級というか、ハイエンドな顧客に重点を置くべきだ、そういう意見があった一方で、人数の層が厚い100万円から300万円消費の富裕旅行者をボリュームアップゾーンとして注力したほうが経済効果の面でも大きいのではないか、そういう意見もありました。 また、これまでのマス、中堅層についての積み上げ、少しずつ環境整備を進めてきた観光政策の流れを踏まえれば、富裕旅行者についても100万円以上、300万円以上、500万円以上、1,000万円以上というように、あらゆる層の観光客を誘致するため、それぞれに対応した戦略をつくり、段階的に環境整備をしていくのが現実的で適切ではないか、こういう意見もあった。いろいろ議論の様子が記されています。 また、もう一つ、中国が圧倒的多数でアジア諸国の比重が大きいといった国、地域別の富裕旅行者数を踏まえ、今後の国、地域、市場別のターゲットについても議論がされました。 中国やアジアからの旅行者が多い一方で、市場は多様化すべきであり、欧米は数は多くないからこそプロモーションを通じて訪日のきっかけをつくる意義が大きいという意見や、地方誘客を考えると日本文化体験を重視する欧米に重点を置くべきではないかといろいろな意見があったことが報告され、議論された様子が分かります。 そこで、先ほどに関連して質問させていただきたいんですが、市は高山市を訪れる旅行者のどのような層を富裕旅行者として捉えて、富裕旅行者に対する誘客戦略を考えておられるのか、その点をお伺いさせていただきたいと思います。 ○副議長(谷村昭次君) 清水飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長清水雅博君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(清水雅博君) 議員さんからの御紹介のように、観光庁が昨年の6月にまとめられた、上質なインバウンド観光サービスの創出に向けた観光戦略の報告書の中では、国として富裕旅行者の誘致の必要性をまず説いてみえています。 その中で、先ほど市長のほうからもお答えがあったように、富裕外国人というか、富裕旅行者の取り込みは非常に大事とは認識しつつも、高山としてしっかり高山の価値をお伝えして、それを理解していただける外国人をしっかりターゲットにしていく必要があるという認識でおります。 具体的にどの層をということでありましたけれども、1つ具体的にお話しできますのが、先ほど市長のほうからもございました、松本高山Big Bridge構想の中では、今年度、具体的に、欧、米、豪の富裕旅行者をターゲットに、7泊から8日泊というか、1週間程度の滞在をしていただけるモデルコースを設定して、それを将来的にはプロモーションして世界に発信して販売をしていくようなそんなイメージで、まずは観光コンテンツの磨き上げ、掘り起こしといったことをやってございます。 また、現在、観光庁のほうでは、全国から、今年度、インバウンド観光モデル地域として10地域を選定する公募を今かけております。ここにも、先ほどの松本と共同で全国10か所に選定されるように申請作業のほうを進めているところです。 具体的にモデル観光地に申請するに当たっては、ターゲットとする層を戦略の報告の中にあるティア2、100万円以上の層をターゲットにして、今、その準備に取りかかっているところでございます。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 今、御答弁いただきましたけれども、この委員会はいろいろな意見の中で結論を出しておりまして、委員会の結論としては、今後の誘客戦略の基本として観光先進国に向けた高い目標の達成に向け、特定市場に絞るよりも幅広く世界中を対象に誘客すべきで、特に文化度の高いインフルエンサーの誘客が重要である。 また、富裕旅行者の多様性を理解しつつ、多様な消費レベル、属性、国、地域別の嗜好の違い、そしてセグメントごとの誘客戦略を策定し、深めていくことが必要という結論に達したと、こういう結論を出しておられるんですけど、この結論に対してはどのような意見をお持ちですか。 ○副議長(谷村昭次君) 清水飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長清水雅博君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(清水雅博君) 議員さん御紹介のように、報告書の中にそういったセグメント別、あるいは対象地域ごとの戦略をしっかり立てていくべきということが報告されておりますし、その認識は全く同じであります。 これまでも高山市のインバウンドの政策として、特定の地域に変更するようなことではなくて、あらゆる地域をターゲットとして、どうしたらそこの地域の方に高山にお越しいただけるのかといった考えの下に展開をしてきました。 今現在はコロナで全世界的な移動制限が起きておりましたので、全方位的な考え方もコロナの前では太刀打ちができなかったという現実がございますけれども、今後もインバウンドに取り組むに当たっては、地域ごとの特性をしっかり理解した上で必要な効果的なプロモーションを実施していく、それが大事かと思っております。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) この問いについて最後に質問させていただきますけれども、富裕層の誘客戦略の策定、そういうものは考えておられるかどうか、お伺いいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 清水飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長清水雅博君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(清水雅博君) 必要に応じてその戦略は立てていく必要があると思っております。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 次の質問に入ります。 富裕旅行者誘致の意義について、報告書は3点を挙げています。 第1に、観光収入の向上を通じた経済成長です。世界の富裕旅行市場は、国際観光の中でも高い成長率を示すセグメントである。本委員会の調査でも、一般の訪日客の10倍以上の消費をする旅行者が多数存在し、1,000万円以上の消費をする層も一定数確認されている。インバウンド富裕旅行の増加は地域の消費拡大、国民所得の向上に大きく貢献する。 しかし、訪日客全体の平均値を見ると、1人当たり旅行消費額、2016年以降約15万円で停滞している。2030年に訪日外国人旅行消費額15兆円の目標を達成するには、これを25万円に引き上げることが必要だ。実現には、富裕旅行需要の取り込みが欠かせないとあります。 第2に、日本のブランド力、ソフトパワーの向上だ。インフルエンサーである富裕旅行者による発信は効果的な我が国のプロモーションとなり、日本のブランド価値を高めることに貢献する。 また、各国のリーダー層を構成する富裕旅行者の日本に対する関心、好感度の向上は、国際社会における我が国の地位向上によく寄与する。彼らは企業経営者や投資家でもあるため、我が国への投資拡大の契機となる効果も期待できるとあります。 第3に、地域の文化・伝統産業への貢献だ。現代アートや古美術、伝統工芸、高級衣服、宝飾品などの購買層の主力は富裕層だ。日本各地で衰退、消滅の危機に瀕する文化・伝統産業を未来につなげる上で、日本を訪れて文化消費を行う富裕旅行者、富裕旅行の増加は大きな支えとなる。 彼らは高い美意識を持ち、町並、景観に対する欲求水準も高い。古民家の町並の再生や廃屋撤去などの投資も、富裕旅行者の受入れが進めば回収も容易になる。このようにあります。 以上のように、報告書は、1番目、成長戦略と地方創生、2番目、ソフトパワーの向上、3番目に文化・伝統産業への貢献、3点を挙げていますが、それぞれのポイントと具体的な取組戦略についてどのような戦略を考えておられるのか、お伺いいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 清水飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長清水雅博君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(清水雅博君) 今、議員さんのほうから、報告書の中から、3点の我が国として富裕層の旅行者誘致に取り組む意義についても御紹介をいただきました。 この方向性については、基本的に高山市もその方向性というか、意義については重要と認識をしております。 まず、1つ目の、成長戦略と地方創生といったことでございます。 これにつきましては、議員さん御案内のとおり、当市では、将来、人口減少に伴う国内市場の縮小を見据えて、昭和61年に国際観光都市宣言を行い、いち早く海外誘客に取り組んできたところでございます。 現在、新型コロナ感染症の影響により外国人観光客は大きく減少しておりますが、市としましても、インバウンドが今後の成長分野として重要であることは変わっておりません。 今月7日からは1日当たりの入国者数が2万人から5万人に拡大をし、そして、今週に入って政府による入国制限がさらに緩和されるということで、大変、急に緩和の動きが広まってきているところです。 この機会を逸することなく、高山市を忘れられない、忘れさせない、そして思い出させる、そういったことで発信を強くしていく必要があるというふうに思っておりまして、今議会の補正予算でも、海外プロモーションの予算について議案として提案をさせていただいているところでございます。 ソフトパワーの向上といったことにつきましても、昨今、SNSが非常に情報発信、旅行先の選択手段として非常に認知が高まってきておりますけれども、そういった中でインフルエンサーである富裕旅行者の発信力は、非常に影響力が大きいと認識しております。 高山市に興味を持っていただけるよう、多言語によるホームページや動画の配信などは、引き続き強化して取り組んでまいります。 コンテンツとしましては、高山が誇る文化、豊かな自然、暮らす人々など、高山らしい魅力を引き続き発信をしてまいります。 ウとしまして、文化・伝統産業への貢献につきましては、高山市においても、伝統産業の継承のために、外国人をターゲットとした取組は大変重要と捉えております。 外国人のニーズに関する情報収集を行うとともに、伝統産業の歴史や工程、その価値を深く理解いただくための情報発信が大切だと考えております。 今月ですけれども、具体的な取組といたしまして、外務省が日本の文化を発信する施設である英国のジャパンハウスロンドンにおきまして、飛騨の匠をテーマとした展示会を9月29日から来年の1月29日までロングランで開催をしていただきます。 こちらにつきましては、企画の段階から、高山市もこの機会を貴重なものと捉えて、展示品の提供、そして高山市の職人さんの英国におけるパフォーマンスなど、積極的に協力をしてまいっているところでございます。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 今、御答弁いただきましたけれども、心に刻んでおかなきゃいけないことは、富裕旅行者は単にぜいたくや豪華を求めるというより、本物志向であるというポイントです。 知的好奇心や探究心が強く、訪問先の自然、伝統、文化に触れることを通じて、背景にある歴史や哲学、美意識などの理解を深め、旅を通じて得たものを自分のライフスタイルに取り入れようとします。 特に、近年のサスティナブルな旅や、訪問先の地域への貢献機会を求めるような富裕旅行者のニーズも強くなっています。 このような富裕旅行市場を開拓する上で、高山市には極めて高いポテンシャルがあります。第1に長い歴史を背景とする豊富な文化資源、第2に豊かな自然資源、第3に豊かで多様な食文化があります。 富裕旅行市場の開拓には、従来主流であったマスツーリズムとは異なり、極めて多様なニーズに応えるためのサービスのインフラと高度な人材が必要となります。 宿泊、飲食、アクティビティ、交通など、観光サービスのどの局面を見ても、富裕旅行者のニーズに応えられる事業者は不足しています。 富裕旅行という新たな市場創造に向けた長期の本格的取組が不可欠であると思います。目先の未来から一歩離れ、100年後にこの地域、自分たちの子孫や土地がどういう姿になってほしいか、そのことを考えて前進していくことも大切であると考えます。 世界的ニーズに加えて、100年後の日本の田舎の理想の在り方を考えても、これからの地方観光のテーマは富裕層掛けるインバウンドが主流になると、このように期待したいと思います。 次の質問に入ります。 スノーリゾートといえば、すぐに出てくるのがニセコです。そもそもニセコが世界に知られるようになったのは、パウダースノーの存在です。 この世界最高クラスの雪質が評判となり、アジアやオーストラリア、欧米からもスキーヤーが訪れるようになりました。そして、彼らのニーズを満たすべく海外資本の高級ホテルが続々と開業し、交通インフラ整備が進められてきました。 ニセコがコロナ禍に負けない要因の1つとして、観光客頼みの消費より海外富裕層の投資が経済を牽引していることも指摘されています。ニセコは、もはや競う相手は世界のスキーリゾート地となっています。 ニセコはパウダースノーというキラーコンテンツを生かし、インバウンド、富裕層、スキーにターゲットを絞り、その選択と集中こそ成功の要因だと先ほども言わせていただきましたけれども、指摘されています。 日本の良質なパウダースノーは外国人から高い評価を得ており、スノーリゾートは地方での長期滞在や消費拡大に向けての有力なコンテンツです。 スノーリゾートへのインバウンド需要をタイムリーかつ的確に取り組むため、インバウンド需要に取り込み、意欲、ポテンシャルの高い地域における上質なスキー場の整備、アフタースキーのコンテンツ造成、受入環境整備などの国際環境力の高いスノーリゾート形成のための取組を観光庁は支援します。 国際競争力の高いスノーリゾートの形成に対する形成に向けての市の考えはどのように捉えておられるのか、お伺いさせていただきます。 ○副議長(谷村昭次君) 清水飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長清水雅博君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(清水雅博君) コロナ禍前には台湾や東南アジアの方、そして、雪が降らない地域からは雪を見るために、この飛騨高山に多くの外国人に、冬場、お越しをいただいておりました。 現在、まだそういった状況にはないんですけれども、今後、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えて、ハード整備によるスノーリゾートを目指すということではなくて、市全体を雪が降る飛騨高山、そして寒さも厳しい飛騨高山を、また、それらを特性として世界に対して市全体をスキーリゾートに捉えて打っていくようなことを考えていきたいと考えております。 これまでも、氷ライトアップとかかまくらまつりですとか、こういったイベントは外国人の方にも人気でありました。 今後も、雪山トレッキングでありますとか、スノーモービルでありますとか、そういった体験メニューの充実、そういったことを図っていきながら、冬の高山の魅力をしっかりと発信して、引き続き冬場のインバウンド客の誘致には積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 市全体をスキーリゾートにするという大きい捉え方で、スキー場そのものの密接した考えはお持ちでないようですけれども、2024年、飛騨地域において、中部山岳国立公園の松本高山ブリッジ構想を見据えてのことなんでしょうが、奥飛騨温泉旅館合同会社、いわゆる星野リゾートが三菱UFJ信託銀行、土地信託とか様々な金融の協力を得て、既存の旅館1棟を解体、撤去して高級リゾート施設を新築し、また、既存の旅館1棟を大規模な改修をして再利用する、2024年のオープンを目指すということになっているんですけど、ここへ入ってきて、前、富良野へ行ったときも、既存にプリンスホテル富良野があるんですけれども、星野リゾートが入ってくるということで、かなりの胸騒ぎがあるというようなことを行政から聞いたんですけれども、やはりこれは大きい1つのターニングポイントになるし、平湯、特に奥飛騨温泉地域において、高山市全体に及ぶかも分かりませんけれども、宿泊の在り方、リゾート地の在り方というのを大きく変わる、変えるターニングポイントになると思うんですけれども、その辺、市はどういう期待というか、どういう像を描いておられるのか、お伺いさせてください。 ○副議長(谷村昭次君) 清水飛騨高山プロモーション戦略部長。   〔飛騨高山プロモーション戦略部長清水雅博君登壇〕 ◎飛騨高山プロモーション戦略部長(清水雅博君) 今、議員さんのほうから、平湯地域における特定の資本のお話がございましたけれども、まず、平湯地域につきましては、今年の3月に奥飛騨温泉郷活性化基本構想を策定して、奥飛騨地域の今後の活性化の方策の基本的な部分を定めさせていただきました。 その中では、平湯地域は、現在もバスターミナルがあって多くのバスが行き来し、そして上高地、乗鞍、そういった地域に行く拠点となっておりますけれども、滞在時間が少ない、平湯地域には、滞在、滞留ということが少し弱いというふうに認識しております。 また、構想の中では駐車場の整備のことも掲げておりますけれども、そういったことを整備するとともに、あのエリアにやはり滞在していただけるような、そして回遊していただけるような、そういう仕掛けなりが必要というふうに考えております。 平湯地域の方々も、新たな投資もしながら平湯を変えていきたいというような思考の方がいらっしゃるということは認識しておりますので、そういった方々と議論を深めながら、本当に今はチャンスが到来しているのかなという認識でおりますので、引き続き積極的に関わってまいりたいと思います。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 高山市の姉妹提携都市、デンバーの近くにコロラド州アスペンというところがありますけど、大変きれいな町でスキーのリゾート地ですけれども、平湯がそういうふうに変えられていくことに期待を抱いて、新しい平湯像を心に抱いているものです。ぜひ地域住民の方々、関係者とかなり話して、着実な前進をお願いしたいと思います。 そして、消費より投資が牽引する経済社会においては、キラーコンテンツは消費するものではなくて、そこにしかない気候、自然そのものが長期投資を生むことになる、このことをしっかり押さえていただきたいと思います。 次の質問に入らせていただきます。 農産物価格の低迷打開策についてお伺いいたします。 ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響で、農家の経営が厳しさを増しています。生産資材が値上がりする一方、米を始めとした農産物の価格低迷のためです。 政府は、農産物価格に適切に反映できるよう環境整備に取り組む方針とのことですが、農産物の価格変動を示す農水省の指数は伸び悩み、7月は1.2%下落の98.6%にとどまっています。米は16.6%下落、畜産物も2.4%下落となり、農家が生産資材の値上がりを十分に転嫁できていない実態が浮かび上がっています。 農業従事者の高齢化が進む中、経営の悪化などで離農者、いわゆる担い手の減少、離農者が増え、作付面積の減少につながるおそれが危惧されますが、市の現況と対応策についてお尋ねいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 最初に現況ですが、市内の主要な品目の平均販売単価を見てみますと、昨年同時期、8月末現在と比較して、ホウレンソウは105%、トマトは111%と高い単価で推移をしております。 一方で、米に関しては、令和3年産米の概算金が前年対比86.4%となっており、厳しい状況にあると認識をしております。 次に、対応策についてですが、市としては、小規模農家が多数を占め、組織化が進んでおらず、今年7月に創設された国の肥料価格高騰対策事業の対象とならない水稲農家に対し、肥料高騰額の2分の1を支援する水稲肥料価格高騰対策事業を今議会で補正上程し、営農が継続できるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。 今後も、肥料、資材高騰に対しては動向を注視しつつ、国や県に強く支援の働きかけを継続するとともに、農家経営の安定を図り、離農や作付面積の減少につながらないよう、市としてできる対応は積極的に取り組んでまいります。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 米が86.4%となっていますが、個々の農家への支援策を打ち出され、米が主食、何といったって米です、米農家への支援を引き続きよろしくお願いしたいと思います。 それから、ホウレンソウが105%、トマトが111%、やはり先代からの地元の方々の努力、ブランドへのこだわり、そういうものが実を結んでいるのではないのかなと思います。 引き続き彼らへの御助言とか支援策を、また、いろいろな意味での援護を、ぜひ引き続きお願いしたいと思います。 次の質問に入ります。 猛暑や豪雨などで傷がついたり形が曲がったりして、スーパー等の店頭に並びにくい規格外の農作物を販売支援する動きが広がっています。 宅配やネット販売の企業が手がけるケースが多く、少量でも対応できるのが強みです。購入は食品ロス削減になり、SDGsの広がりもあります。 消費者の理解が広がりつつある中で、規格外農作物の販売は生産者の支援にもつながると考えますが、市の対応策をお伺いさせていただきます。 ○副議長(谷村昭次君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 現状ですが、農協や公設地方卸売市場においては、野菜は品質や大きさによって選別出荷されておりまして、規格外でも活用できるものは加工用に回すなど、できるだけ廃棄を減らす取組がなされております。 こうした規格外の農産物は生産組織などで多くは取扱いを決めていますが、価格面からも折り合いがつかない場合は、廃棄される農家もいるというふうに聞いております。 議員仰せの規格外野菜のオンライン販売などの多様な販売形態を活用していくことは、新たな販路の確保、食品ロスの削減、SDGsの観点からも有効と考えますので、まずはニーズの把握と、高山市の野菜がそういったところに乗っていけるものとしてあるのかというようなこと、それから、誰がどのように取りまとめるかなどの手法について、生産組織や関係団体と研究をしてまいります。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 規格外農産物の販売については、いろいろ複雑な生産者の事情もあるようですが、やはり食品ロスの問題、SDGsの広がり、ここのところをしっかり配慮しながら話合いを進めていただきたいと、このように希望させていただきます。 次の質問に入ります。 心の教育と宗教性の関係についてお伺いさせていただきます。 心の教育が課題としていることは、生命の尊重、他者への配慮、社会性と道徳、心の病といった諸問題とどう取り組むかという課題です。 他者への思いやりや社会性の問題はともかくとして、命の尊さや心の病を問題にしたら、体験活動や社会奉仕活動などで済まされる問題ではなく、通常の道徳教育の次元を超える問題にもなります。 根本には人間の宗教性の問題があり、宗教心や宗教生活に関係していかざるを得ない問題の深みに踏み入ることになると思われます。 しかし、教育勅語に代表されたように、日本はかつて、公立教育機関による道徳教育や、儒教と民族主義、それに神道の混合した疑似宗教的な価値教育に失敗した国です。その反省から、憲法とそれに基づく教育基本法では、公教育における宗教教育を禁じてきました。 したがって、憲法と教育基本法の下でこれらの諸問題にどこまで対処すべきか、また、できるのかが工夫のしどころとなります。 心の教育は、当然、価値観の教育に及び、さらには宗教教育に立ち入らざるを得ず、そうでなければ、隔靴掻痒、足がかゆくなったときに靴の上からかくような、なかなか思うように届かない、隔靴掻痒の教育に止まるほかないと思われます。 心の教育とは何でしょうか。問題として意識されるのは自他の生命尊重であり、また、社会関係と自然関係における心の健やかさです。しかし、厳密にはそれだけでしょうか。 人間の自己関係には自己形成における過去との関係もあり、未来との関係もあります。その中で人格として育成されることが重要です。 社会関係には身近な人間関係があるだけでなく、遠くの社会関係もあり、グローバルな関係もあります。人格としての人間は自立的であるとともに、その自立は相互に分断された個的自立ではなく、関係的な自立であるはずです。 他者に対して非依存的でありながら、しかし、他者に協力的に開かれている人間が求められます。人間は関係における自立的人格として教育される必要があるでしょう。 人格教育といった標語はどこででも聞かれます。しかし、人間を人格として扱い人格として教育する、それは単純にものとは違うといったレベルの話ではないのではないかと思います。 ただ一人の人とか、かけがえのない人といった表現もなされます。独自存在であって、同時に他者と共に他者のためにいる人間、そういう人として教育することの大切さを理解できますが、どういう基盤に基づきどこに資源的な根拠を持ってその教育を鼓舞することができるかが重大な問題です。 人格、人格は言うまでもなくパーソン、英語、パーソンという言葉の訳語です。人格という用語に落ちついたのは明治20年代と言われます。出どころはラテン語のペルソナです。 ペルを通して、ソナーレ、声を響かせる。ラテン語のペルとは神です。神を通してソナーレ、声を響かせる、それが、神と人間の人格的関係の起源であり根源です。 他者を持たない自者、自分は孤独です。それが近代人の問題です。イプセンの『人形の家』にあるように、人間は人形ではない。そこから脱出しなければならないのが人間です。 岩波書店から出版された『日本の思想』という本の著者である政治学者丸山真男は、日本社会は、国家や民族を超える超越の原理が欠如していると思われると主張し、日本は批判や抵抗の拠点の確立しなかった国であると思われると語りました。 また、ハーバード大やUCバークレー大で社会学教授を歴任されて、徳川時代の宗教とか親鸞をめぐるもう一つの文化論の著作があるロバート・ベラーという社会学者は、日本の明治期には、近代化について勇気の拠点がなかったと書いたことがあります。 明治から昭和期の宗教哲学者、波多野精一は、自然、文化、宗教の3段階を区別して、人格の領域を文化ではなく宗教に結びつけました。 また、東京帝国大学の総長で、戦後の初代東大総長を務められた政治学者の南原繁は、政治の価値(正義)と区別し、真、善、美の価値を置き、それらを超えて聖もしくは愛の価値を置いて宗教を語り、科学や道徳にも侵されず、まして政治に侵されることのない価値領域として宗教を語りました。 生命の尊厳は、理性以上の根拠を必要としているのではないでしょうか。 大江健三郎が、ある大学の講演で、信仰なき者の祈りという話をしたことがあります。 障がいを持った子どもを育てる親としてあるとき、祈っている自分に気づいたという話です。誰の人生にも祈りがあります。人間は虚無の現実の中で、人間として形成されるのではないでしょうか。誰もが無限の祈りを持っています。 心の教育と宗教性の関係について、教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(谷村昭次君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 議員仰せの南原繁氏ですが、昭和31年高山市を訪れて、講演しています。彼は、真理立国の書を西小学校に残しています。私は、真理の言葉には、彼の哲学、批判精神が込められていると感じています。 南原氏は、戦後、教育基本法の策定に尽力しました。教育基本法には、宗教教育として宗教に関する寛容の態度の文言があり、憲法の信教の自由に基づく相互尊重の大切さを捉えています。 当然、公立学校では特定の宗教教育は認められておりません。そういう中で、学習指導要領にある生命の尊さ、自然への畏敬の念、人としてよりよく生きようとするような人間性を育む、それには、自分と他、自他の命を大切にする教育が大切だと、高山市では工夫し実践してきました。 今日、長引くコロナ禍により、夢や希望を持てず将来や生きることへの不安が増長しています。県教育委員会も、今年度から、ぎふ いのちの教育として取組を始めました。命の教育が心の教育となるには、深い学び、心に届くことが必要だと考えています。 深い学びには批判的思考も求められ、その思考の基礎となる人格の自由と科学的認識が大切です。 今後も県と連携し、様々な教育活動の中で命を深く学び、心の教育を進めてまいります。 ○副議長(谷村昭次君) 松山議員 ◆18番(松山篤夫君) 今、教育長は南原繁さんの話を出されて、彼は宗教に対する関与ということを打ち出されたということをお伺いいたしましたけれども、イマヌエル・カントの『純粋理性批判』、あれを読みますと、やはりそれぞれ読み方は違うと思いますけど、私、一番印象的だったのは、理性を超えた純粋理性批判、理性を批判する、その場として次に宗教というのを非常に彼はあの中で置いています。そういう意味においても、これは南原先生と相つながるところがあるんじゃないのかなと思います。 トレルチという哲学者は、人間の自由と命の尊厳、これはもう密接に結びついて両方とも外すことのできない大切な命の尊厳と自由、切っても切れない関係にあるというようなことも学ばせていただいています。 指揮者の小澤征爾は、音楽というのは規則だらけで、ブルーノート、規則だらけで、自分の思いとか何かを入れる余地というのはほとんどないと、ないけれども僅かな隙間がある。この隙間に自分の思い、それを込める、それがコンポーザーとしての一番大事な仕事だなんてことを言っておりますけれども、やはり深みに入っていくには道徳、ねばならないの発想から抜けて、ねばならないというときには、そこでは一番自由が嫌う自発性というのが欠如しています。 その辺の遊びも踏まえながら、深みに触れて、より心根の優しい他者に対して思いやりのある、そして自立した児童生徒を育て上げていただきたいと、教育長に期待させていただきます。 以上をもって、私の一般質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(谷村昭次君) 以上をもって、松山議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(谷村昭次君) 休憩します。     午後2時52分休憩  ――――――――○――――――――     午後3時05分再開 ○副議長(谷村昭次君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○副議長(谷村昭次君) 次に、車戸議員。   〔20番車戸明良君登壇〕 ◆20番(車戸明良君) それでは、通告に基づきまして、一般質問を始めさせていただきます。 まず最初に、このたびの市長選挙で初当選の栄誉を得られ、市政の重責を担われることになりました。市政発展のために御尽力をいただきますよう、御期待を申し上げます。 それでは、今回は2点について質問をいたします。 1点は、市長の政治姿勢と公約について、もう一点は、松倉城跡の国史跡指定と高山市の文化財についてであります。 それでは、最初の質問、市長の政治姿勢と公約についてを行います。 市長は、「輝く市民が暮らすまち飛騨高山」、これを実現すると述べてみえます。そのための政治姿勢は、バックボーン1として「幸せ」と明記をされていますが、これを具体的にどう施策に反映していくのでしょうか。 話はちょっとそれますが、私の尊敬する人の中に稲盛和夫さんがみえます。この方は御案内のように、京セラを立ち上げ、第二電電をまたつくり上げる。最後は日本航空の破産寸前の会社を再生されました。 先日、テレビの対談の録画を見ました。稲盛さんは第二電電を興す考え方をしっかり述べてみえて、一番京セラの中で不得意な苦手な分野に手を出すんだ、積立金の3分の1を使ってでもこれを成し遂げなければならない、この考え方をベースに利他の心を持って行う、それが成功に導いた要因だと述べてみえました。 人間は、利他の心を持ち、このことが大切であり、人生と仕事の結果は生きる姿勢である考え方、それに熱意と能力、この3つの要素の掛け算で決まるとされております。そんなことを頭に描きながら、お聞きします。 市長の政治姿勢、バックボーン1「幸せ」とされておりまして、これも私は何回も読み返しました。また、お聞きもしました。政治家としての政治哲学や心情、人生感を示されており、その内容には共感を覚えるものがあります。 市長は、所信表明の中で、自然と向き合う強さ、周りを敬う優しさ、暮らす人も訪れる人も心地よい町、すなわち強く優しく心地よく、この3本柱をしたまちづくりに取り組んだと言ってみえます。この思いと心情を具体的に施策にどう取り組むかを、最初に伺っておきます。   〔20番車戸明良君質問席へ移動〕 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、お尋ねにありました「幸せ」という内容についてでございますけれども、私は若い頃に留学をしていましたデンマークで、基礎というか、礎を学びました。 御存じのとおり、デンマークは世界でも有数な幸せな国とされておりまして、徹底した平等主義、公平とか不公平とかというそういう価値観でとらわれるんじゃなくて、本当にそれぞれの人を平等に扱う。また、みんなで支える社会の構築、これは御存じのとおり高い福祉を、高福祉を実現するために、国民の方それぞれが所得の半分、あるいは消費税なども高い税金を払って社会で支え合うというそういった思いですね。 あと、無駄をなくすことへの高い意識、1つのものを長い間使い続ける、それに耐えるよいものをつくると。そういった価値観を肌で体感し、それが私の先ほど申しました礎になっております。 先ほども申し上げましたけれども、地方公共団体の役割というのは、住民の皆様の福祉の増進を図ること、つまり、市民の皆さんが幸せであることだというふうに考えております。 また、幸せは人それぞれ実感する側面が異なっております。例えば、経済的な基盤である生業がしっかりと継続できることであったり、夢のためにチャレンジができる環境があることであったり、子どもの健やかな成長や家族と一緒に過ごす時間、地域の方々との交流であったり、芸術文化やスポーツに触れる機会など、それぞれの幸せの形があると思っておりまして、どのような施策も、今申し上げたそういったところにつながるような、そういった施策を展開していきたいと考えております。 市民の皆様は、この町で生まれてよかった、学べてよかった、働けてよかったと、暮らせてよかったと思うようなまちづくりをしたいというのが、私の根本的な考えでございますので、それに沿った施策を展開していきたいと考えております。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) 答弁をいただきました。 ぜひとも、田中市政が独特の味を抱いて、自分の信条、哲学に向かって皆さんを幸せに導くような施策に邁進していただきたいと思います。 さあ、それを踏まえて、次に入ります。 市長の公約と第八次総合計画、各種計画との関係がおのずと出てきます。それと、巨大事業を控える中、市長が取り組もうとしている所信表明で述べられました、高校生の医療費の無償化、奨学金返済の支援、観光振興の仕組みづくり、医師が遠隔診療を行える体制、学校給食の質の改善など、新たな施策の優先順位というものはあるんでしょうか。 さあ、そこについて回るのは財源の確保です。このことは、やはりしっかりしなきゃ私はならんと思っています。 総合計画は前の市長の下で出来上がったものであり、それも後期計画は、コロナ感染症が広がる以前にほぼ基礎ができて、策定されたものです。 まだ2年半の期間があります。市長が取り組もうとしてみえるまちづくりの新たな施策を展開しようとするならば、例えば子育て支援の充実とか、医療体制の強化など、見直しが必然的に私は起きてくるのではないかというふうに捉えておりますが、方向性とか考え方についてお聞きします。 優先順位と、それから財源確保については、さきにも宿泊税等々のことが出ましたが、単に財政調整基金を当てにするものじゃなくて、新たな市政運営の財源確保というのはやはり重要な私は政策課題と捉えていますが、その辺の見解もお聞きしたいところであります。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) まず、私の公約と総合計画の関係についてですけれども、総合計画そのものは、将来における本市の高山市のあるべき姿と進むべき方向について、基本的な指針を示すものというふうに理解しておりまして、議会の議決を得た最上級の計画であるというふうに認識しております。 また、市長公約は私が市民の皆様とお約束した政策でありまして、両者ともに市政運営を行う上での基本的な指針であると考えております。 今回の選挙においてお示しした公約と第八次総合計画につきましては、大きく捉えれば方向性は同じであっても、その考え方や実現に向けた過程は変わってくるというふうに考えておりますので、例えば、公約においては高山らしさへのこだわりであるとか、デジタル化の推進であるとか、若者がチャレンジしやすい環境づくりなど、今後、力を注いでいく部分も、もう何点か盛り込ませていただいております。 今回、選挙を通じて市民の皆様にお示しした、輝く市民が暮らせるまちづくり飛騨高山、これをしっかりと実現させていくためにも、計画期間は残り2年余りというふうになっておりますけれども、基本計画を含めた総合計画を見直す方向で進めたいと考えております。 先ほど議員さんが御指摘になられた、今の後期計画はコロナの前に立てられておりますので、そういった影響も、当然、加味されるべきであると考えておりますので、それも併せて変更する方向で、見直す方向で進めたいというふうに考えております。 当然、個別計画についても同じような方向で見直す方向を示して、そういう方向で示していきたいというふうに考えております。 あとは、政策の順位でございます。先ほど、議員さんが医療費の無料化であるとか、奨学金返済支援であるとかいろいろおっしゃっていただきましたけれども、当然、御指摘になられた財源の確保も含めて、それとあと、関わる方々、特に観光振興の仕組みづくりについては、先ほど中田議員とのやり取りの中で、市が単独で決められるものではないというふうに思っておりますので、そういった過程を踏むものもございますので、優先順位と言われれば特にございませんが、施策を実際に実行する順番というか、そういったものについては必然的に調ったものからやってくということになりますので、中には私の判断でできるものもあると思いますし、当然、市民の皆様方と、もう一度議会も含めてですけれども、しっかりと議論した上でやらなければいけないものはありますので、そういった方向になるかというふうに考えております。 また、財源の確保につきましてはおっしゃるとおりでございまして、これまでも精力的に取り組んでこられた国とか県への要望活動を通して、例えば補助金の確保であるとか、あるいは既存の補助制度の見直し、それを引き続き行いたいというふうに考えておりますし、例えば、近年、順調な伸びを見せているふるさと納税、これも今年度につきましても、昨年に比べてかなり順調な伸びを示しているというふうに理解しておりますので、そういったものも積極的に取り組んで、必要な財源の確保に努めてまいりますし、加えて、これまで國島前市長がやってこられた事業の中でも、これは必要ないなということは、私思うものも結構ありますので、その部分につきましても大胆に手を加えていって、必要があればその財源を別のほうに回すとか、そういったことも考えておりますので、その過程の中では、先ほど申しましたように、議会の議決が必要であったりとか、住民の方々の調整があったりとかするものもございますので、順位についてはそういった順位になるかと思いますけれども、やりたいということで市民の皆様にお示しをしました内容につきましては、順次進めていきたいという考えでございます。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) 御答弁をいただきました。 ぜひとも推進をしてほしいなと思いますが、今度は、市長の表明の中にもありましたように、少し夢を見れる、そんな市政運営を望んでの質問であります。 先端技術への取組と国が示している20のイノベーション、科学技術が広がる未来社会、特定重要技術など最先端に着目する市政運営の考え方について、お聞きするものであります。 科学の学芸員を活用するとともに、民間企業と大学連携センターを中心に最先端技術のまちづくりを目指す、こういう方向はどうかということをお伺いします。 よく考えてみますと、飛騨の民は飛騨匠と言われ、飛鳥時代の頃から奈良の都に赴き、宮殿や寺院などの建築に尽力をし、飛騨の木工職人たちの総称を飛騨匠と言われてきました。 いわゆる当時の最先端技術が認められて都から呼び寄せられて、その最先端技術を世の中のために果たしたと。いわゆる最先端のまちづくりの飛騨高山が発展したということが言えるかと思います。 このDNAを現代に生かし、最先端のまちづくりを目指し、子どもたちにもいい影響を醸し出し、理系の大学生もふるさとに帰りたい社会、帰れる社会を期待したくなります。 その一例が、先ほど述べた学芸員です。最先端技術のこともありますが、主に児童生徒を始め、若い世代から科学技術への世界を知って興味をもらっていることが、まず第一歩かと私は思います。 総括して簡単に言えば、最先端技術、科学分野での人材活用による産業の活性化、特に高山地域は9割が林業という大きなハンディーかプラスか分かりませんが、これを抱えています。 このことの科学分野の人材活用なんていうのは重要になるというふうに捉えていますが、そういうことに着手することによって全国的にも注目を集め、若者を始め市民が夢を持てるような、そんなまちづくりを目指すべきではないかという考えですが、この分野での取組についてお伺いいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今、議員御指摘の最先端技術をどう取り入れるかということでございますけれども、今回、私が意識して皆様にお伝えしたかったことは、市政運営において留意する点の1つに、人工知能であるとか情報通信技術を、あらゆる社会の側面に活用するということを挙げさせていただきました。 デジタル化であるとか、情報通信技術とか、人工知能などについては、様々な施策に活用できる余地はあるかなと私は捉えております。 例えば、先ほど申し上げました医療の分野、移動診療車の導入であるとか、今、議員御指摘になりましたように、大学や企業と連携して果敢に先端技術を取り入れた施策にチャレンジしていくと。 今、学芸員ということをおっしゃられたんですけれども、子どもたち、最先端技術に触れるような機会を学校教育のほうと連携してやらせていただくとか、これまでコロナを経てよりそういった分野が注目をされているというふうに私は捉えておりますので、ちょうど今、私が新しい市政を担うということになったことにつきましては、時節にかなったものかなということは逆に思っております。 そうしたまちづくりが結果として、議員の御意見にありますように、最先端技術のまちづくりにつながって、若者を始め市民の皆さんが夢を持つことができるものというふうに私は捉えておりますので、具体的な内容につきましては、今後、市役所のいろいろな部署と協議をする中で、できるものから着実にやっていきたいと考えております。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) 田中市政の特徴は夢を与える、夢を持てるということが私はキーワードかというふうに自分なりに捉えていますので、しっかりとまた前向きな推進をしていただきたいなというふうに思います。 今の中でどうしてもデジタルということが中心になってくるんですが、実はそうではないんですけど、デジタルということも考えれば、今、国はスーパーシティ型戦略特区というのを設けておりまして、つくばと大阪がそれを受けることになっていますが、こういうことに高山市がチャレンジしたらどうかと思っております。 行政手続とか医療とか移動、その分野でのデジタル化等々はスマートシティと呼ばれていまして、その分野です、スーパーシティになるとそれを全部つなぐんです。 広い高山市の、人口の少ない高山市にとっては、ひょっとしたら地方創生の起爆剤になるのではないかというふうに、私みたいな素人でも思うことがあります。 こういう分野も、特にやはり行政の責任として私は研究をする辺りになるんじゃないかとずっと思っていますが、全然それは無知ですのでお任せしますので、そこら辺は進めていただきたいなというふうに思います。 それでは、次の質問に入ります。 今からの質問は、実は中田議員さんの質問で、ほぼ私は回答が出ているんじゃないか、答弁が出るのかと思っていますが、通告をしていますのでざっとやりますが、重複される方はお答えいただかなくて結構ですので、お願いいたします。 人口減少、高齢化が著しい支所地域の地域振興は、市政運営の中でも最も重要な私は課題と捉えています。 市長の政治姿勢のバックボーン2は地域振興となっておりまして、先ほど出ましたようにコンパクトシティは目指さないよという考えなどが示され、地方にとっては、支所地域については何か期待できるなという感じを受けていますが、この方向性についてお聞きしますが、重複しない部分だけのお答えを望みます。 バックボーン2の地域振興では、市長の言われている一番大事なことで響いたことは、市役所の役割は地域の方々の思いに正確に読み解き、施策に反映することだということを学んだと言われていますが、大事なことだなと思います。 今までも高山市は地域振興予算をつくったり、それから、地域担当職員をつくったりしてきました。第八次総でも第3章でわざわざ地域のまちづくりを盛り込み、各地域のまちづくりを明記して推進してきていますが、どうも停滞ぎみです。 なかなか進まないというふうに私は捉えていますが、この辺の方向性が中田議員さんの答弁とは若干違ったところがあれば御答弁ください。あとは割愛されて結構です。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 先ほどの中田議員さんとのやり取りの中で、重複部分を避けさせていただきますけれども、バックボーンということをお話しいただきましたので、私としては、今、議員さんがおっしゃった、地域の方々の思いがどういったところにあるのかということをしっかりと読み取って、それを政策につなげていく、そういう能力は私は市の職員の皆様には必要かなというふうに思っておりまして、その部分につきましては、しっかりと市民の方々のお話を聞いて、思っておられる事象が直接それに対応するのがいいのか、それとも思っておられる裏に何があるのか、それをしっかりと吟味した上で地域振興を図っていくということは大切なことだと思います。 分かりやすく言うと、例えば防犯灯を付けていただきたいという地域の方の声があって、やはり防犯に不安があるという声があるんです、そういう思いがあって直接的にそういったお話をされたとしても、本当に防犯灯を付ければその思いが解消されるのかということまで深く考えた上で、地域の実情に合わせた施策を展開するということが私は必要だと思っていますので、先ほど中田議員さんとのやり取りの中であえて付け加えさせていただくということであれば、今のことを申し上げたいと、そういった姿勢を大切にした市政運営は、させていただきたいと考えております。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) なかなか地域振興というのは、議論とか机上ではできるんですけれども、実際入ってみるとなかなか難しいことです、これは。旧市町村長さんもそれで苦労していろいろな手を使ってきました。一時は盛り上がるんですけど、なかなか持続しないというのは大きな課題です。でも、そういうことにも目を向けてもらってやるということに期待はしております。 5番目は、今度は、行政運営上の複雑さなんかの体制づくりについて質問しているわけですけれども、これもほぼ地域振興課をつくるんですよというようなことで答弁をいただいていますが、支所地域の現状は、地域振興のため支所だけでプロジェクトチーム的なものを立ち上げようと、支所長なり振興課長が思っても、なかなかそれは体制が取れないというのが実情だと私はずっと見てきています。 市長の権限と本庁の行政運営上の複雑さ、これにメスを入れないと、どんな政策を打ったって予算をつけたって、なかなか進まないんじゃないかと私は思っています。 地域振興課をつくる、関連をつくる予定だというふうに答弁されていますが、私はなかなかそれが難しいんだろうと思っています。 ずっと思っているのは、やはり健康推進課がやっているような西、南、北、ブロック制にしてここに担当課がおって、この範囲だけは責任を持って地域振興をやるぞと。あとは環境政策やら観光やら、農業の分野のことは総括してここでやって、一緒に入り込むぞというようなシステムがいいのではないかと思っていました。 ただ、今回はそこのまだ一般質問する段階じゃないかと思って抑えていましたが、ぜひとも申し訳ないけど御参照いただきたいなというふうに思います。 もう一つは、私は地域振興の原点は何かっていったら、やはり支所地域ですので、農山村の暮らしをどう支えるか、守れるかだ、これが原点だと私は思っています。 いろいろ言ってみても、先ほど市長が述べられました徹底した平等主義、みんなで支え合う社会性、これが原点ですから、農山村に住んでいても中心市街地といっても徹底した平等性、目を向けてくれているな、さらにはみんなで支え合うというのは、まちなかでも農村部でも同じだなというところを構築できるかです。 買物はできない、一人住まいで隣が遠い、足がない、心が不安だ、こういう部分にどう手を差し伸べられるかの、私は地域振興の原点はここから始まると思っています。 そうすると、若者は、ここに住んでおっても、家庭を持っても、結構、殺風景だけど意外といいんだなということに気づく若者世代が出てくればしめたもので、移住者も出てくればいいと思うんです。 それには、やはりそこの支え合う農村社会、行政がしっかり暮らしを守っているというところのベースがないと私はできないというような私の持論ですが、そういうことを含めて地域振興課等々の行政改革については期待をしていますが、もし御答弁があればいただければ幸いです。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 議員さんがおっしゃられた、支所と本庁の間の関係性については、メスを入れるべきであるというふうにおっしゃったんですけれども、先ほど中田議員さんとのやり取り中でもちょっとお話をしたんですが、これまでの本庁と支所の関係ということは、私、やはりおっしゃったとおりメスを入れるというか、変えていくべきだなというふうに思っています。 私が地域振興とか地域政策を担当していたときは、積極的に本庁の各部署とやり取りをする中で、特に予算的なものもございませんでしたので、先ほど申し上げましたように、画一的な行政サービスを広げるのではなくて、その地域に合った、例えばバス路線であるとか、公共交通の路線であるとか、そういったものはやるべきだということを、本庁の担当と協議をして実現させてこられたということもございます。 それとあと、ブロック制についても、今は支所地域ということを一くくりにしていますけれども、例えば久々野、朝日、高根とか、あるいは奥飛騨でも奥飛騨温泉郷と上宝とまた地域性も違いますし、そういった地域性であるとか、連携して何かできるようなことがあれば、積極的にそういった施策は進めていくべきだというふうに考えておりますので、まず地域政策、地域振興、その担当の職員が実際に地域を見て回って、地域の人と話をして、どういった施策がいいのかということははっきりと本庁に伝えるという、それは必要かと思っていますし、ただ、私、実感としてあるのが、例えば以前、小日和田で水道管が破裂して、水道の職員の方が慌てて出向いて、一生懸命修理しようとされておられる中に、地域の方は、あんたたちは大変やなと、うちは山から水を引いておるで大丈夫やという、生活の知恵もやはり自然と共に生きておられる中で、かなり身につけておられる部分もあるかと思うんですね。 生活する中での強さとか、そういったものを、私、感じておりますので、そういったものと、あとは地域の方が地域の方同士で支えていく、そういった仕組みというか、そういったことがずっとできるような、そういったまちづくりは必要かなというふうに思っておりますので、これからいましばらく地域振興とか地域政策というところはございませんでしたので、運用する中で、試行錯誤をしていく中で、何か新しい施策が必要であれば大胆に打っていきたいと思っておりますし、本庁との関係についても、皆さん、職員の方と一緒になって見直しができる分についてはやりやすい方向に見直していきたいというふうに考えております。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) ぜひともここには改革が私は必要ではないかと思っています。 よく考えたら、例えば上宝支所、丹生川も高根、朝日もそう、本庁へ何回来ればいいんですか。行ったり来たりするのに1時間、2時間かかって仕事ができますかということに、極論から言えばそうなるんじゃないかと思って私は見ています。 そのシステムを私は変えて地域振興に力を注ぐ、そんな行政のシステムが求められているんじゃないかなというふうに思ってなりませんので、そこの辺はよろしくお願いしたいというふうに思います。 それでは、次、2番目の質問に変えます。 松倉城跡の国史跡指定と高山の文化財についてを質問させていただきます。 最初に、松倉城は高山市街の南西に位置している標高857メートル、松倉山頂に築かれた山城です。 眼下に高山盆地を見下ろし、北は越中、南は岐阜、東は木曽、西は郡上に通ずる街道が一望できる立地は、山城を築くのに適した場所と言われています。 城は、最高所に本丸を置き、東に二の丸、西から南に三の丸を設けた構造であると言われています。中枢部は総石垣造りとなっています。昭和の31年に岐阜県の県指定史跡となっています。 そこで、お聞きします。 松倉城跡の文化財としての申請をされていますが、調査をされていますが、文化財の国史跡とはどういう制度の概要なのかを、まずお聞きします。 そして、次に、松倉城の国史跡指定に向けて平成31年から発掘調査を始めており、令和元年からは専門家による調査指導委員会を立ち上げて発掘の指導がなされていますが、今までの成果と専門家の意見はどうなっているかをお聞きしたいと思いますし、端的に松倉城のどこがすごいんですかということもお聞きしたいと思います。 ○副議長(谷村昭次君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 最初に、国指定史跡の制度についてです。 国指定の史跡の制度は、文化財保護法に基づき指定し、保護を図るものです。国の史跡に指定されますと、現状を変更する、あるいは保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合、文化庁長官の許可が必要となります。一方、保存、活用のため、国庫補助で整備を行うことも可能になるという概要です。 松倉城跡は、これまでも巨石を用いた高い石垣が古くから知られており、地域の方から親しまれるとともに、城郭専門の研究者からも注目されてきました。 そこで、高山市では第八次総合計画や第3期高山市教育振興基本計画の中で、歴史遺産の保存と活用のため、松倉城跡の史跡指定を位置づけ、取り組んでいる現状です。 次に、発掘調査の成果についてです。 平成31年度から発掘調査を行っておりますが、成果と言えるのは、まず、石垣を丈夫にするため裏込め石を詰めていること、次に、城にとって一番重要な入り口部分、虎口を徹底的に壊して使えなくしていたこと、そして、二の丸跡で建物の礎石が見つかったことですと。また、令和3年度には、立体的な表現ができる赤色立体図を作成し、詳細な地形を明らかにすることができました。 専門家で構成する調査指導委員会は、これまでに5回開催し、現地での指導を含めて発掘調査の状況を確認していただいております。 専門家たちからの意見としましては、石垣の積み方は豊臣秀吉が全国を統一した頃の特徴を持っているということ、そして、何がすごいかと申しますと、これだけの戦国時代の見事な石垣が残る城は全国的にも少なく、大変貴重な城であるという評価をいただいているという点です。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) それを踏まえて、次にお聞きします。 実は、ちょっと私もこれに、今、興味がありまして、令和3年度の郷土史『斐太紀』に、松倉城石垣問題と題して地元の研究者の論考が掲載されております。 それは、石垣は金森氏によるものという県外の学者説に対して、地元の研究者は、いや、江戸時代の歴史記録があるのだから三木氏が造ったとあり、違和感があるぞというようなことの掲載です。これが話題となっております。現在の調査指導委員会の調査状況は、この点はどのようになっているんでしょうか。 また、史跡は地元を始め広く市民に親しまれていますが、調査指導委員会は地元の住民などを加えて、幅広い情報を得ながら市民の関心を高め、国史跡の指定を目指してはどうかというふうに思っております。この辺はどのような状況かをお聞きいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 松倉城跡の石垣につきましては、誰が造ったかをめぐって研究者の間で話題となり、注目を浴びていますが、戦国時代に書かれた絵図や確かな文献資料はほとんどなく、決め手を欠く状態です。それぞれの説が取り上げられ、展開する中で議論が深まり、さらに関心が高まってきているところです。 一方、御指摘のありました調査指導委員会には、文化財審議会の会長のほか、高山市内在住の文献史学の研究者なども含まれておりまして、様々な議論を踏まえた上で広い視点から御意見をいただいているところです。 委員の皆様の共通する意見としましては、この時期において巨石を用いた高石垣などは全国的に見て大変貴重なものであるとのことであり、誰によって築城されたかなど、今後も研究、議論を積み重ねる必要がありますが、国指定の史跡としての価値は十分に有しているものと捉えています。 様々な説や御意見なども踏まえながら、多くの方に松倉城跡のすばらしさを知っていただく機会を設けますとともに、市民の皆様の御理解、また、御意見をいただきながら、国指定史跡に向けて取組を進めてまいりたいと思っております。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) 初めは金森さんのほうがすごい勢いがあったと私は捉えていますが、最近になってやはりそういういろいろな異論が出てきたり、でも地元の研究者が、郷土史家とかいろいろな方が、これだけ熱が入って議論するって私はすごいことだと思います。 これだけ愛着があって注目を浴びているということは、大体、指導委員会がやって来られたら、ああ、すごい先生方が来て、そうやなって終わるんですけど、今回、松倉城についてはこのようにいろいろな方が郷土史に掲載したり、議論したり、また、私に尋ねてきたりというようなことがあるので、いいことだと、いい意味でいいことだなというふうに思っております。 指導委員会の中にはやはり国府町の方が1人と文化財課長の2人なんです、地元は。これはそれで仕方ないかもしれませんが、ただ、聞きますと、そういう郷土史家とか研究家の声はまだ聞いていませんよというような状況だと私は理解していますので、この委員会をよく聞くと外部の声も聞くという要綱もあると聞いていますので、ぜひとも地元の郷土史家や研究家の意見を聞いて、いい意味ですごい盛り上がって国指定への弾みにしていただきたいと思いますので、これは要望をしておきます。 次に入ります。 国史跡の指定への年度単位計画とめどはどのように見ておられるかを、まず聞きます。 また、文化庁は、指定すると文化財を保護保全、保存する、これが重要としていますが、一方では、最近は観光振興など地域の活性化の活用を推奨してきています。松倉城跡の観光での活用構想について、お聞きするものであります。 私、驚いたのは、コロナ以前、外国人の旅行者は歩くことにあまり苦にならないな、むしろそれを楽しむ傾向にあるなというふうに感じたことがあります。 恐らく飛騨の里から松倉城跡散策には二、三十分で片道済むのかなと捉えていますが、コロナ感染症が広がる前に目にしたのは、松倉城の遊歩道を多くの外人が散策されているのを見てびっくりしたこともあります。 このように、文化庁は以前と違い、地域の観光振興を促しています。国指定を目指す中で、飛騨の里の周辺の活性化を含めて、松倉城跡を生かすべき構想というのは持ってみえるのかをお聞きいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 西倉副市長。   〔副市長西倉良介君登壇〕 ◎副市長(西倉良介君) 松倉城址の国史跡指定の年度単位計画とめどということでございます。 松倉城跡につきましては、平成17年に刊行されました岐阜県中世城館跡、中世の城、館跡という字ですが、総合調査報告書に取り上げられております。それにおいて、国や県からも価値が大変高いということで、評価をいただいております。 今後の予定としましても、令和5年度中に発掘調査などの成果をまとめた報告書を作成し、令和6年度に国へ指定のための意見具申を行う予定でございます。 史跡の指定後には、史跡としての価値を担保しつつ、多くの方に、今おっしゃったような歴史的ロマンを親しんでもらえるように、保存と活用に努めてまいります。 飛騨の里周辺の活性化と連携してということでございますが、飛騨民俗村再整備構想におきましても、松倉山の自然が満喫でき、観光客などだけでなく、多くの市民が潤えるエリアとすることを位置づけておりまして、令和2年度から令和11年度までの期間で、眺望景観の確保や遊歩道の整備などを進めることとしております。 国史跡の指定ですとか、飛騨民俗村の再整備などを通じまして、飛騨地域の民俗文化、また、農山村の里の風景、そうしたものと共に松倉山周辺が非日常感を楽しむことができるようなエリアとなるのではというふうに期待しております。 今後、調査指導委員会の委員のような研究者ですとか地元の郷土史家、また、さらには様々な団体、地域の皆様と協力しながら、その魅力を生かした地域プライドの醸成、財源の確保、旅行商品の造成、そうした持続できる地域づくりの実現を目指してまいります。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) かなり構想は進んでいるというか、もう持ってみえるなというふうに感じました。推進を期待したいと思います。 今度は質問を変えてシンプルに、高山市内にある文化財についてお伺いします。 高山市内にある文化財の件数と推移と、管理の状況はどのようになっているかをお聞きするものでありまして、特に戦国時代の山城というのはたくさんあるような気がします。県、市の指定、それ以外を含めた件数と保存、活用についてお聞きするものであります。 合併して、かなりの文化財があるのではないかというふうに推測しています。これを確認したり把握したり、保存、修理、支援というのはなかなか厳しい状況というふうに捉えていますが、この状況についてお聞きいたします。 ○副議長(谷村昭次君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 市内の文化財件数の推移につきましては、平成17年の合併時には930件でありました。合併前は205件程度でありました。それから、現在は954件となっています。 令和2年度には全ての指定文化財所有者へ管理状況の確認を行ったほか、今年度は天然記念物の現状を把握するため専門の業者に委託し、生育状況や周辺環境の調査を行っており、文化財の現状把握に努めているところです。 あわせて、市といたしましては、保存、修理などに要する経費や、保護活動の経費への支援を行っているところです。 戦国時代の山城につきましては、市内に確認されている山城が47件ございます。その中で戦国時代のものとされているのは、県の指定によるものが6件、市の指定が7件、未指定のものが13件となっています。 山城を始めとする中世城館は地域の特性を示すものであり、今後、策定を予定しています文化財保存活用地域計画の中で、関連文化財群の1つとして位置づけ、一体的に保存、活用を図るよう進める予定です。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) 答弁いただきました。 950を超えたというんですから、なかなか管理、保存というのは厳しいかなと思っていますが、ぜひとも広い高山市の文化が薫る高山市というキャッチフレーズもありますが、ぜひともしっかりした保存管理計画というのはつくっていただきたいというふうに思います。 それを踏まえて、ちょっとお聞きします。市域が広く文化財の件数も多い状況で、管理、保存はどのようにしていくのか。今後の保存、活用計画は、行政だけではなく民間の諸団体と協働して保存活動をしなければならないと思っております。 高山の中心部の地域を見ますと、幾つも保存会があるんです。伝統芸能の民俗文化財とかあって、保存団体には補助を出して支援をしています。ただ、支所地域を眺めてみますとほぼ数件しかなく、ほとんどない。あんなに増えたのに、この辺の不安感はどうしても思います。この辺の体制も、取組はどうなのかとお聞きしたいと思います。 さらに、これだけの文化財があるんですから、視点を変えて、日本遺産のような観光と文化財を連動した取組の展望についても、お聞きしたいと思います。 ちょっとだけ、日本遺産に触れさせてください。日本遺産は、2020年の東京オリンピックを契機に、訪れる外国人に日本の文化遺産などを興味を持ってもらい、誘客促進の1つでありました。 観光庁と文化庁が取り組み、審査員には外国人の方も入れて、文化財と観光をセットにしたものであります。 高山市は飛騨匠をテーマにして選定されてきていますが、そういう動きもこれからコロナがだんだん収まってきてインバウンドが始まったりいろいろすると、これは文化財はなかなかいい地域資源となり、地域の活性化の1つのヒントにはなるのではないかというふうに思ってはなりませんが、この辺の見解と取組についてお聞きをしたいと思います。 ○副議長(谷村昭次君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 今後の文化財の管理や保存につきましては、所有者や行政だけではなくて、市民の皆様の理解と協力をいただきながら、未指定を含めた有形、無形の文化財を観光やまちづくりに生かせるような、地域で取り組んでいくことができる体制を整備することが必要であるというふうには考えております。 支所地域を含めまして、市民の方々、民間、行政が意見交流を図りながら方向性を共有して、協働しながら施策を進めていく必要があると考えております。 例えば、今、国府地域では、今の日本遺産と、あと、食であるとか、里山の風景であるとか、自然であるとか、果物であるとか、そういったものを一体的に結びつけて、それを観光と結びつける中で、観光協会が主体となって今後の地域の活性化を目指して、観光庁の補助金を受けながら独自にやっておられる、そういったものもございます。 それは今までの日本遺産だけではなくて、いろいろなものを複合的に結びつけて、それを民間の方が主体的に後につなげられるような形にして残していくという取組でございますので、ほかの地域でも同じような取組と私はできるというふうに考えておりますので、そういった一つ一つの成功事例をつくっていく中で、文化遺産であるとか、あるいは文化財であるとか、日本遺産であるとか、ほかの地域の魅力を結びつけて、それを地域の活性化につなげていくというやり方につきましては、今後、私としては進めていきたいというふうに考えております。 そういったことによって、新たな観光の在り方を実現できるのではないかと考えておりますので、その取組につきましては積極的に進めてまいります。 ○副議長(谷村昭次君) 車戸議員 ◆20番(車戸明良君) ぜひとも地域の振興も兼ねるとやはり大事なことかなというふうに思いますので、進めてほしいなと思います。 最後に一言。日本遺産について、少し市長にも力を入れてほしいということがあります。 コロナ感染症の影響で、日本遺産、伸びません。さらに、世界的に見ても、ユネスコの世界遺産というのはすごく知名度があります。ところが日本遺産というネームバリューはかなり低いんです。 どうか文化庁などへ行かれたときとかこういう機会に知名度アップ、これをどう地方として国に取り組んでもらえるか、これは、今から、大きな私は命題やと思います。 そういう市長の外交、内交の折には、ネームバリューアップについて御尽力いただくよう期待をして、一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(谷村昭次君) 以上をもって、車戸議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○副議長(谷村昭次君) 休憩します。     午後4時01分休憩  ――――――――○――――――――     午後4時10分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、山腰議員。   〔13番山腰恵一君登壇〕 ◆13番(山腰恵一君) 一般質問初日、最後になります。どうかよろしくお願いをいたします。 それでは、通告に基づきまして、一般質問をさせていただきます。 障がい者の情報格差解消についてであります。 私たちは、様々な媒体や手段によって、日常生活の中で情報を入手しております。新聞やテレビ、ラジオ、インターネットのほか、音声や文字の表示による案内など、そうした情報等によって安全にかつ快適に生活するためには欠かすことのできないものであります。 しかし、情報等の多くは全ての人にとって分かりやすい形で提供されているとは限らず、障がい者の人々にとっては入手が難しいこともあります。 障がい者の中には、視覚障がいや聴覚障がいなど障がい者の状況は様々であり、その方々が安心して快適に暮らすためには、点字や音声、文字による情報の提供、さらに、手話通訳者や要約筆記者の支援を受けて暮らしていかなければなりません。そうした情報のバリアフリーは大変重要なものとなっているところであります。 情報のバリアフリーとは、全ての人が必要な情報を適時にかつ適切に入手できる状態のことであります。 高齢者や障がい者など、こうした情報を得ることが困難な人に対して、相手が障がい特性等を踏まえて、その人に合った手法、方法で情報を伝えることが重要であります。 国においては、障害者差別解消法が施行され、障がいのある人もない人も互いにその人らしさを認め合いながら、共に生きる共生社会をつくることを目指しております。 さらに、合理的配慮の提供がうたわれ、障がいのある人は、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときには、負担が重過ぎない範囲で対応を進めることを求めているわけでございます。 そうした中にあって、障がい者など情報を得ることが困難な人に対する情報提供の手段、音声や文字による情報のほか、手話や筆記、拡大文字、音声通訳など、各種サービスの提供がどのように図られているのか、障がい者の情報バリアフリー化にどう取り組まれているのか、さらに課題として捉えていることはないのか、市の見解をお伺いいたします。   〔13番山腰恵一君質問席へ移動〕
    ○議長(水門義昭君) 川原福祉部長。   〔福祉部長川原幸彦君登壇〕 ◎福祉部長(川原幸彦君) 高山市における障がい者への情報のバリアフリー化については、令和3年度から令和5年度までを対象期間とする第2期高山市障がい者福祉総合計画の中で、それぞれの障がいに対応できるよう、手話や点字、音声などを活用した情報のバリアフリー化に取り組むこととしております。 具体的には、視覚に障がいがある方に声の広報たかやまをお届けしたり、聴覚に障がいのある方の消防への通報システムであるNet119を導入したり、福祉課窓口では、手話通訳士を常時設置することで、聴覚に障がいのある方の庁舎内の手続や相談を支援し、また、病院に受診するときなど、手話通訳の必要がある場合には、その方の状況に合わせた手話通訳者などの派遣を行っております。 課題としましては、手話通訳においては、後継者の確保の問題がございます。市では、手話奉仕員養成講座などを行ってきたことにより、手話に理解のある方の裾野は広がってきておりますが、受診や講演といった場面、専門用語も多く使われる現場にも対応できる手話通訳者や手話通訳士の資格取得者がなかなか増えず、後継者の確保が課題となっているため、今年度から手話通訳者の資格取得試験の受験料なども助成対象とし、その解消を図っているところです。 このほか、視覚に障がいがある方への情報バリアフリーにつきましては、窓口対応についてはガイドヘルパーの協力も得ながら支障なく対応できておりますが、公文書を発送する際、点訳や音声コードを同封することができないため、代読の支援が必要であることなどが課題であると捉えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 今、伺いました手話通訳士の後継者の課題とか、様々な部分があるということでありました。 障がい者が生活をする上で、様々な場面で必要な情報がスムーズに取得できることで、バリアをなくすことになり、安心して快適に暮らせる環境が整うことになります。 さらに、情報を一方通行で発信するだけでは、受け手が真に必要な情報を入手できないおそれがあります。情報の発信者は、常に受け手の状況を確認する必要があります。私は、まだまだ十分ではないのではないかと考えております。 そうした中で、今、障がい者と健常者が直面するコミュニケーションの壁、バリアをなくそうと障がい者が情報を円滑に取得、利用し、意思疎通していけるよう、国を挙げて取組を進めるための新法であります障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が5月施行されました。 これは、全ての障がい者が社会を構成する一員として、社会、経済、文化等あらゆる分野で活動するためには、必要とする情報を十分に取得し、利用し、円滑に意思疎通を図ることが重要であり、障がい者の有無によって分け隔てられることなく、相互の人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することであります。 障がい者が円滑な情報取得、意思疎通を目指す基本理念では、障がい者の種別、程度に応じた手段を選択するようにする、地域にかかわらず等しく情報取得などができるようにする、障がい者でない人と同一内容の情報を同一時点で取得できるようにする、また、高度情報ネットワークの利用、情報通信技術の活用などがうたわれております。 さらに、この理念にのっとり、自治体の責務として、防災、防犯に関する情報を取得できる体制の充実、多様な手段による緊急通報の仕組みの整備等があります。 例えば、災害時に防災無線や防災ラジオなどの避難情報の呼びかけが聞こえない、聞こえても目が見えないことにより自力で逃げられないといったことがあります。 これは、2011年東日本大震災では、こうした状況で命を落とした障がい者が多く、障がい者の死亡率は住民全体と比べて約2倍に上ったとのデータが示されております。 さらに、命を守ることができても、避難所では目が見えず、重要な張り紙情報があることが分からない、右が聞こえないためアナウンスが聞こえず、食料などの配給が受けられないといった不便を強いられたことがありました。 災害時のみならず、日常の生活において障がい者がどのような地域や場所にかかわらず情報が取得できるようにする、もっと言えば、障がい者でない人と同一内容の情報と同一時点で取得できるようにすることが求められております。 このような障がい者が日常生活や災害時に必要な情報を得られるよう、健常者との情報格差の解消を目指し、情報アクセスや意思疎通を総合的に推進することが、この法律の重要な部分であります。 こうしたことを踏まえ、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されました。 市は自治体の責務として、今後どのように推進を図るのか、市の御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 川原福祉部長。   〔福祉部長川原幸彦君登壇〕 ◎福祉部長(川原幸彦君) 障がい者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律、通称、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法ですが、今ほど議員仰せのとおりの4つの基本理念にのっとり、地域の実情を踏まえ、障がい者による情報の取得や意思疎通に係る施策を実施することなどが、地方公共団体の責務として掲げられております。 具体的な取組の内容については、国などから通知はされておりませんが、市として、今後、推進していくためには、情報通信技術の活用など新たな情報発信の方法などを検討しながら、市の障がい者福祉総合計画に位置づけられております情報のバリアフリー化と、国から示される方針などとの整合を図り、その取組を強化していくことが必要であると考えております。 なお、施策を進めるに当たっては、国からの財源を活用するとともに、当事者団体の方などの御意見も伺いながら、より効果的、効率的な取組となるよう努めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 私はこれまでも、緊急通報、Net119の推進や電話リレーサービスの推進を訴えてまいりました。 しかし、現実には障がい者が日常生活や災害時に必要な情報を、健常者と同じように十分になおかつ円滑に取得できるまでには至ってないのが実情ではないでしょうか。 障がい者が災害時や緊急時に情報を得られ、意思疎通がスムーズにできるよう、さらに高度な情報通信技術の活用等を駆使して安心・安全に暮らせるために、誰一人取り残さないとの思いで取組の推進を期待したいと考えます。 次の質問に進みます。 公共施設のトイレについてであります。 初めに、男性トイレにサニタリーボックスの設置についてであります。 前立腺がんや膀胱がんを患った男性は、手術後には尿漏れパッドを着用しているケースが多く、その使用済みのパッドなどを捨てる場所に困ることが生じていると言われております。 また、疾患を患った人のみならず、高齢者の方も尿漏れパッドや紙パンツを使用している方も多く、高齢化とともに増えていると考えます。 そのような中、公共施設の男性トイレにサニタリーボックス、汚物入れを設置する動きが広がっております。 一般社団法人日本トイレ協会が、今年2月にインターネット上で実施し、557人が回答したアンケートでは、尿漏れパッドや紙パンツを使う男性の約7割が捨てる場所がなくて困ったと回答をしております。 男性トイレに捨てる場所がない場合には持ち帰らなければならず、どこで処分しようかと考えることも精神的な負担となることも多いと考えられます。 もし、そのような汚物入れがなければそのままトイレに放置されることで、その後にトイレを使用する人にとってそうしたものが放置されていれば、不快な気分となってしまいます。 こうしたことは、デリケートな問題でもあり、男性も声を発しにくいのが実情ではないかと考えております。 このようなことから、男性トイレのサニタリーボックス設置の現状はどうなのか、また、市庁舎を含めた公共施設における男性トイレにサニタリーボックスを設置する考えについて、市の御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 平野財務部長。   〔財務部長平野善浩君登壇〕 ◎財務部長(平野善浩君) 高山市が管理する公共施設における男性トイレのサニタリーボックスの設置状況でございますが、市役所本庁舎1階に1か所あるほか、飛騨の里などの一部の施設に設置してございますが、多くの施設や公衆便所には、現在、設置していないような状況でございます。 そのため、尿漏れパッドの交換などでサニタリーボックスが必要な方は、男女共用の多目的トイレにあるものを使っているというのが現状でございます。 なお、本庁1階男性トイレにつきましては、過去に紙おむつが床に捨てられていたということから、本年1月頃にサニタリーボックスを設置いたしましたが、その後の利用は、まれに普通のごみが捨てられていることがある程度で、他の施設でも同じような利用状況となっております。 今後のサニタリーボックスの設置につきましては、施設を利用される方などの御意見もお聞きしながら、どこにどのようなものを置くべきかなどについて検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 多目的トイレには設置が済まされているようでありますけれども、男性が外観的に健常者に見える方が、なかなか多目的トイレに入るのは気が引ける部分もあります。また、他の方が使っていれば使用ができませんし、空くまで待つのも大変だと思います。 そうしたことから、やはり、今、全国的に広がっておりますので、男性トイレの個室にサニタリーボックスを設置することが望ましいと私は考えております。 国連が掲げるSDGsの持続可能な開発目標の中には、目標6にトイレに関することが明記されており、女性や女子並びに弱い立場にある人がどんなことを必要としているかについて、特に注意を向ける必要があります。 トイレで困ることがあるということは人権問題でもあることから、立場が弱い人が困らないようにするのが行政の役割であると考えております。 ぜひ取組を推進していただきたいと考えますし、現在、こうした取組は、先ほども言いましたけれども、全国的に広がっております。 高山市は、国際観光都市として観光客を国内外から迎えます。他の自治体より先進的に取組を進めるべきであります。また、公共施設のみならず、民間事業者にもこうした取組が推進されることにより、弱い立場の人が困らないよう配慮ができる優しいまちづくりやそうした環境を築くためにも、こうしたことが当たり前になっていくような社会を築いていくことが求められます。 次に、多目的トイレのユニバーサルシートであります。 公共施設のトイレは、誰でも利用が可能なトイレとして、まちづくりの公共的な大変重要なおもてなしの部分として存在していると考えております。 特にバリアフリーの観点から、高齢者や障がい児・者の方でも利用しやすいトイレは、観光都市高山においてもバリアフリー観光に取り組んできた経緯があり、大切なものと考えております。 そのような背景もあり、障がい者や高齢者が利用しやすいトイレとは、車椅子でも気軽に利用しやすい多目的トイレの設置は、当然あって当たり前の世の中に今やなっているところであります。 多目的トイレは、利用する方にとってありがたいとは思いますが、しかし、利用する側にとって補助器具が利用しにくい環境もあります。 例えば、障がい児・者が利用するユニバーサルシートであります。現在、多目的トイレには設置が進んでおりますが、利用者側からすると大変使いづらいことがございます。 ユニバーサルシートは、その上で子どもや成人の着替えやおむつ交換などをされますが、時に、ユニバーサルシートの配置方法によっては、例えばシートの両方ががら空きとなっているため、障がい者が動いて落下する危険性があります。障がい児・者がじっとしているとは限りません。 こうした場合には、ユニバーサルシートの一方を壁側に来るような配置方法ならば、介助者が一方は壁になっておりますので、落下する危険も少なくなると考えます。 また、トイレの中央に配置してある場合に、車椅子で入ってユニバーサルシートを折り畳んだ状況から延ばした場合に、狭くて介助者が介助しづらいことがあります。 さらに、ユニバーサルシートが中央部分にあることで、万が一、鍵をかけ忘れた場合に、他の人がドアを開けたとき、着替えやおむつ交換する場面を見られて大変恥ずかしいことに遭遇することが少なからずあります。 そのような場合にも、壁側にユニバーサルシートを配置することで、少なからずそうしたことも対応ができると言われております。 私が、今、話をさせていただいたことは、実際に障がい者を持つ方と多目的トイレの現場を見て回ったことから課題をお伺いしたことであります。 例えば、今週春にオープンした大政の多目的トイレは、ユニバーサルシートの設置はあるものの、中央部分にあるため、車椅子が入ると狭くて介助しづらいことが分かりました。 参考になるのが、若者等活動拠点施設、村半にある多目的トイレは、ユニバーサルシートが利用しやすい配置となっております。 私がここで申し上げたいのは、多目的トイレのユニバーサルシートの設置は進んでおりますが、場所によっては配置方法がばらばらで一貫性もありません。感じたことは、とにかく設置することが目的であるのだと捉えております。 利用者側の視点に立った配置方法などが考慮されなければ、せっかく設置をされたのに使い勝手が悪いのであれば、ありがたみも薄れてしまいます。 こうしたことから、多目的トイレにあるユニバーサルシートの配置方法など、新たに多目的トイレを建設する場合に、統一的な配置方法の基準を定め、建物の設計の段階から利用者の目線で使い勝手のよい配置方法などを考慮するような考えが必要ではないのか、市の見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 平野財務部長。   〔財務部長平野善浩君登壇〕 ◎財務部長(平野善浩君) 高山市誰にもやさしいまちづくり条例施行規則により、不特定多数、または高齢者や障がい者等が利用するトイレの整備につきましては、出入口の幅を広く取り、トイレ内の床は滑りにくくし、手すりやベビーチェアなどを設置することとされております。また、市の施設整備の際には、ユニバーサルシートなども必要に応じて設置することとしております。 既存施設におきましても、これまでもできるだけ使いやすいよう、必要な設備を設置してきたところでございますが、建物によっては多目的トイレの面積や形状に制約があり、一部の方にとって使いにくいという現状もございます。 先ほど御紹介いただきました大政につきましても、古い建物の改修というような制限がございまして、そういった御意見があるということも承知しております。 多目的トイレの内部の設備の配置につきましては、建物ごとに面積や形状が異なっていることから、統一的な基準を設けるのではなく、それぞれの建物の状況に合わせてより使いやすいものとなるよう、今後の施設整備に当たっては十分配慮しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 利用する方の視点とかを持っていただいて、本当に使い勝手のいい、そうした設置方法などをしっかりと考えていただいて、お願いしたいなと思います。 ユニバーサルデザインという視点から、観光客のみならず、あらゆる市民が利用するトイレは、これまで片隅に追いやられている存在でありますが、最も大切なものとして、その町の顔として中心的な存在であることと考えております。 今るる話をさせていただきましたが、利用者の目線をどれだけ酌み取り、その声を反映させるのか、それが大切ではないか、机上の上だけでは分からない点もあることから、そのことをお伝えし、今後の改善に生かしてほしいと考えております。 次に、若者移住支援についてであります。 本市では、高校を卒業する生徒の約7割が進学により市外へ転出してしまい、卒業後はそれぞれ夢を描き、希望する企業に就職していく人がほとんどであります。 就職後は、企業人となってがむしゃらに働き、社会に貢献をされております。その中にあって地方移住を考える方も少なくないと考えております。 地方移住のハードルを低くするために、Uターン者に対しまして、交通費助成や家賃補助制度、就職奨励金制度を取り入れている自治体も大変多くあります。 市では、35歳未満のUターン就職者に対しまして1人10万円の支援金を支給しておりましたが、令和3年3月末で廃止に至っております。 市外からUターン者に対しては一定の効果があったが、インセンティブにはなっていないと判断されたことでした。しかし、インセンティブにはなっておりませんが、地方移住のハードルを低くするといったことでもあり、ある意味、Uターン者への就職準備金の要素が多く含まれているのだと感じております。 市外からUターンに当たっては、引っ越し費用もかかることや、新たに生活をするということはもろもろの準備が必要となり、出費も重なります。Uターン自体ハードルが高い上に、新たに費用が生じてくるといったことも承知で英断してくるわけでありますので、そこに少しでも行政として支援をしていこうという思いが大事ではないのかと考えます。 ある意味、Uターン者はふるさとへ帰ることへの思いがすごく深い方々だと思っております。私はこのような方々への、当然必要な支援ではないかと考えます。 そこで、若者へのUターン就職支援金の再度検討する考えはないのか、市の御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) Uターン就職支援金は、地方創生交付金を財源に平成27年度に創設した支援金でございます。平成28年度以降は、市の単独事業として令和2年度まで実施してまいりました。 この支援金は、Uターン就職者に対し一律10万円を給付する制度で、支給状況は平成27年度は211人、28年度は165人、平成29年度は145人、平成30年度は169人、平成31年度157人、令和2年度は169人でありまして、大きく増加傾向となる状況にはございませんでした。 このような6年間の事業実施状況から、市内へのUターン就職へのきっかけや動機づけに一定の効果はあったものの、Uターン就職者が大きく増加するという状況までには至りませんでした。 Uターン就職者を増加させるためには、高校在学中までに地元の魅力を深く知っていただいて地元を愛する意識を高めることや、大学等への進学後も地元とつながりを持ち続ける、そういった取組を強化していく、そういったことが重要であるというふうに考えております。 当該制度を復活する予定はございませんが、高山市の魅力の発信やライフスタイルの提案などのプロモーション活動や移住者に寄り添った支援など、若者が高山市に住みたいと思う気持ちを力強く後押しする、そういった取組を今後も推進してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 私は、若者がUターン者としてふるさとに帰ってくること自体を、とても大歓迎であります。 そうした人々を応援する意味においても必要な支援ではないかと考えますし、もっと支援を充実している自治体もございます。再度、御検討に期待をいたします。 次に、奨学金返済支援の期間短縮であります。これもすごく残念なことでありましたし、衝撃なことでありました。 飛騨地域から大学や専門学校へ進学しようとする人の中には、奨学金制度の支援を受けて学業に専念している方も少なくないと考えております。 奨学金は、大学等を卒業後に就職してから長い年月をかけ返済をしていかなければなりませんが、借りたものは返していくのが当たり前で、当事者にとっては大変負担になっていることは確かだと感じております。 そうした中で、市では、市外から高山市にUIJターンにより市内の事業者に就職した35歳未満の方に、奨学金返済の一部を最大5年間補助しておりましたが、令和3年度から支援期間を1年ずつ短縮し、令和7年度で廃止をすることとのことであります。これはどう見ても納得のいくものではありませんし、人口減少地域にあっては、地方創生移住支援策の大変重要なものであります。 他自治体においても、こうした奨学金返済支援を活発に取り入れているところや、自治体と企業がバックアップして支援をするといった取組もございます。 全国の地方自治体では、若者移住促進に力を入れ、これまで以上に若者に投資をして若者を呼び込もうと必死になっているのが現状ではないでしょうか。 そのような中において、奨学金の返済期間の短縮はどう考えても時代に逆行しているとしか考えられません。 これまでの答弁では、一時的な給付金だけではなく、地域の職場環境や起業の機会の充実、郷土愛の強化や地域の貢献の醸成、魅力的な地域づくりなどに力点を置くことが重要と言われました。 こうしたことは大前提としてとても大事なことでありますが、それとこれとは別な話で、それによって若者の奨学金返済支援事業の期間を短縮し、その後、廃止してしまうことは、市民感覚から大分かけ離れているのではないかと考えます。 田中市長所信表明の中で、奨学金返済支援を拡充すると話されました。市民の思いや声が伝わり、若者を大事にする情熱があるのだろうと感じております。そうした中で、奨学金返済支援事業についてどう拡充をするのか、市長の御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) 御指摘のとおり、若者は高山市内で就職したり、自ら事業を始めていくということは大きな意義があることでございます。 全国の若者は高山市に魅力を感じ、住みたい、働きたいと思われる町となって、若者に選択していただくことは大変重要なことだと思っておりますし、その辺のことについては同じように考えております。 高山市が若者にとって魅力ある町となり、若者の移住、定住がさらに促進されるように、若者の暮らしの糧となる支援策として、今、段階的に縮小をする方向となっている現行の奨学金返済支援策は拡充いたします。 ただ、拡充する具体的な内容であるとか支援方法につきましては、早急に検討を行ってまいります。やはり、かなり財源的な負担を伴うということもございますし、この前に御質問ありました、1つの祝い金のような10万円の支給ということも廃止をしているというような状況もございますので、それを加味した方向で拡充はいたします。 ただ、どのように拡充するかについては、いま一度検討させていただいて、恐らく新年度には拡充した方向は示させていただくような形に持っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 具体的なことはこれからということで承知はしておりますけれども、どうか拡充をお願いしたいと思います。 奨学金返済支援によって、若者の移住へのハードルを低くすることにもつながるとともに、一番大事なのは若者への経済的、心的な負担を少しでも軽減をすることであります。 さらにUターン者によって事業者が若者の雇用を確保することにおいても、大変意味のあることだと捉えております。 支援というよりも、市が肩代わりするぐらいの気概であってほしいと考えております。また、雇用した事業者にも、Uターン者や地元就職者と共に、事業者へ雇用奨励金を出して応援していただくことも大事かと考えております。 とにかく、今後、人口減少がさらに進む中で若者の人材はとても貴重な存在、存在というよりも宝であります。現在、人への投資ということが叫ばれており、人材確保や人材育成に重点を置いた取組が求められる時代に入ってきております。 次に、若者へのUターンを考える上では、仕事のことで不安を抱く人も多くいると言われます。よくお聞きするには、これまで生かしてきたスキルを発揮する職種があまりなく、仕事を探す上である意味、選択肢が狭くなっていると言われております。 既存の観光産業や木工、建築などの物づくり産業、土木や農林畜産業など幅広い産業はございますが、今、若者が求めている仕事では、いわゆるIT産業やクリエーティブな仕事など、このような職種は本市においてもこれまでとても弱い産業とも言われております。 田中市長は、先端技術を取り入れることや情報技術を生かしていくことなど話されましたが、こうしたものは大変大事な部分であります。 そこで、IT産業などのクリエーティブな職種など、新たな産業の創出をどのように考えているのか、市の御見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中市長。   〔市長田中明君登壇〕 ◎市長(田中明君) コロナ禍が続いてきた中で、東京を始めとする都市部から地方へ移住する方が、そういった流れが見られておりますし、その状況の中で市内の若者の移住定住を促進していくためには、働く場所にとらわれず、多様な働き方が実践しやすい情報通信技術や企画やデザイン、要するにクリエーティブな産業、そういったものの誘致であるとか、そういった産業を担う人材の育成と確保、そういったことをすることで、新たな産業や職種を創出することは重要であると捉えております。 コロナによってもっとそれが加速されたというか、クローズアップされたという側面もございますので、そこは私は注目すべきかなというふうに考えております。 今後、以前にも申し上げましたけれども、あらゆる社会の側面で、デジタル技術を用いた生活であるとか、ビジネスが変容していく中、DX化していく中で、情報通信技術を始めとするクリエーティブな技術力や人材は当市において不足していると、そういった要素でもありまして、最もこれは若者の力が必要とされているのではないかというふうに考えております。 高山にいながらにして都市部の会社で働けるような、例えばサテライトオフィスや企業の誘致、これまでもやっておりますけれども、何回も申し上げますけれども、コロナ禍の中でそういったことがよりやりやすい社会的な環境になっておりますので、また、そういったものを活用した起業、それをいま一度整備して、若者にとって幅広い産業とか職種が市内に創出されて選択できるように取り組んでまいります。 あと、先ほどの障がい者の方々の施策についてなんですけれども、昨日たまたま聴覚の障がいを持っておられる方の要望を受けたんですね。 災害の避難所でそれが分かるようなゼッケンであるとか、そういったものを導入してほしいということだったんです。 その後に、私、福祉部の担当の職員の方と、ほかの障がいを持っておられる方も同様な恐らく困り事があるでしょうから、できることから、全体を網羅してどうするんだというふうにやっていると時間がかかりますので、できることから少しずつやっていきましょうということは確認させていただいておりますので、そういった部分につきましては、今後、1つの流れの中で実感していただけるような取組にはしていきたいと思っております。 ここで申し上げることがどうかというのはちょっとあったんですけれども、熱心に話されておられましたので、その辺につきましてはお話をさせていただきます。 ○議長(水門義昭君) 山腰議員 ◆13番(山腰恵一君) 現在は、先ほどもありました、コロナ禍を経験したことで都市圏域の企業が地方への移転も出始めております。 IT分野の企業は都市圏域にいなくても地方での事業が可能であると考えますし、仕事をするには自然環境がいっぱいあったそうした地域が選択されるように今後はなると考えます。 私は、最先端技術を持つ企業を誘致し、人材の確保と人材を育てることで新たな産業が生まれ、高山の活性化につながることになります。これは私の希望です。 こういったことも、今後の田中市長の人脈や新たな人との出会いや交流のきっかけで大きく広げていただき、トップセールスとしてその手腕を発揮していただきたいと考えます。 これで私の質問は終わります。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、山腰議員の質問を終わります。  ================ △閉議・散会 ○議長(水門義昭君) 以上で、本日の一般質問を終わります。 残余の一般質問につきましては、明日午前9時30分から続行したいと思いますので、御了承願います。 これをもちまして、本日の会議を閉じ、散会します。     午後4時51分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  水門義昭               副議長 谷村昭次               議員  沼津光夫               議員  中筬博之...